ここがヘンだよ山口県

2008年7月 8日 (火)

この人たちの「常識」って?

 ポチです。
 いよいよ夏です。
 今年の夏はまた一段とお暑いようで、嫌になってしまいます。
 そうは言ってもまだ朝晩は涼しいので、エアコンはあるがスイッチを入れない我が家も、朝家を出て夜中に帰る私としては、「過ごしにくい」というところまでには至っていないのですが、この暑さは、先が思いやられます。
 みなさん、無理をされずに、この夏を乗り越えてください。



 さて、今日は、先日の頭の構造が変な下関市の教育長さんの話 の続報です。

 今朝の「朝日」山口版の紙面からどうぞ。

教育長発言への朝鮮学校抗議 下関市長が「非常識」

 下関市の嶋倉剛教育長が日本の朝鮮半島に対する植民地支配について「植民地支配は歴史的事実に反する」と発言した問題で、山口朝鮮学園の人たちが市役所で発言に抗議する活動をしていることについて、江島潔市長は7日の定例記者会見で、「迷惑なのでいい加減にしてほしい」と述べ、嶋倉教育長には発言の撤回や謝罪を指示しない意向を改めて示した。
 会見で江島市長は、今月3日から続く学園側の抗議について「大人数で来ることは想定しておらず非常識。数の力で屈することはありません」と述べ、嶋倉教育長に対しては「慎重に発言するよう口頭注意している。これ以上マスコミに出るような場を積極的につくりたくない」と話した。
 学園側は6月26日の教育長の発言を受け、3日に同学園が運営する山口朝鮮初中級学校の関係者70人が撤回と謝罪を求める申入書を市教育委と市に提出。4日には回答を受けるため約30人が訪れたが教育長側は面会を拒否した。この後も学校関係者らは市役所を訪れ、教育長との面談を求めるなどしている。
 嶋倉教育長の発言を巡っては、堀内隆治・前下関市立大学長らが、発言の撤回を求める申入書を提出。民主党県連も発言撤回と謝罪を求める決議を採択した。
 7日は社民党県連合代表の佐々木明美県議も市役所を訪れ、市長と教育長あてに発言の撤回と教育長の辞任を求める申入書を提出した。市民らからは賛否両論が寄せられ、反響が続いている。




 ということで、江島市長さんに言わせれば、朝鮮学校関係者の方々の抗議は「非常識」なんだそうです。

 前回の記事では、直接の当事者である嶋倉教育長さんの異常さを書きましたが、今日は、それを擁護する江島市長さんの異常さについてです。
 率直に言って、嶋倉さん以上に江島さんはヘンです。

 まず最初に、江島さんが「嶋倉教育長には発言の撤回や謝罪を指示しない意向を改めて示したという点に関してです。
 この場合、「撤回」や「謝罪」の対象になる嶋倉さんの「発言」というのは、まぎれもなく、「植民地支配はなかった」「対等な併合だった」という内容に関してでしょう。
 「植民地支配」なのかどうかという問題については、すでに決着のついている問題です。なぜなら、嶋倉さん自身が「政府見解を尊重する」と発言され、事実上の前言撤回をおこなったからです。
 「政府見解」とは次のものです。

村山談話「戦後50周年の終戦記念日にあたって」
                       (1995年8月15日)
 「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」

日韓共同宣言
        (1998年10月8日)
 「小渕総理大臣は、今世紀の日韓両国関係を回顧し、我が国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた」


 「読んで字の如く」です。
 27日午後になって嶋倉さんは、これを「尊重する」と言われました。そして、それは、6月27日の午前中までの発言と正反対の内容です。
 嶋倉さんは、「相手から筋違いのお話が突然出されたため、その話に立ち入ることを否定する発言を行った旨を説明したもの」などと言い訳されていますが、そんな言い訳が通用するはずもありません。
 であるならば、正式に撤回と謝罪をされるのは当然のことです。そして、江島市長さんはそうするように指示されるのが当たり前なのではないでしょうか。

 江島さん。
 あなたや嶋倉さんが、ご自宅で酔っ払って何を言おうが、そんなことはご自由にどうぞ。しかし、あなたは市長さんだし、嶋倉さんは教育長さんです。公的責任の範囲の中で、間違ったことを言えば、自らの責任に照らして「ごめんなさい」と言わなきゃ。
 それも
できないようでは、やはりお二人ともお辞めになるのが一番かと。それで、「自由の身」になって、どこでも好きな場所で好きなことをおしゃべりになっていたらよろしいんじゃないですか。


 2つめの問題は、朝鮮学校関係者に対する態度です。
 嶋倉さんの発言に抗議し、その撤回と謝罪という、当たり前のことをおこなっている朝鮮学校関係者の方を「非常識」と言ってのける良識のなさにはあきれ果てます。この江島さんという人の「常識」とは一体何なのでしょうか。

 この人の「常識」に、VAWW-NETジャパンにトンデモメールを送った頭の悪い日経の記者の「常識」を思わず重ねてしまいました。

http://www.asahi.com/national/update/0705/TKY200807050111.html

 取材先の「期待」に報道が従うわけないだろ。
 
常識を持て。ばか者。報道ってのは取材先の嫌なこともちゃんと中立的に 伝えるのが役目なんだよ。なんであなたがたの偏向したイデオロギーを公共の電波が垂れ流さなきゃいけないんだよ。あほか。あんたがたの常識のなさにはあきれはてる。

 ね、なんとなく似てるでしょ?
 きっと、頭の中も似てるんだと思いますよ。


 それで、私が一番気に入った(?)のは、次の言葉

     「数の力には屈しない」

 開いた口が塞がらないというのはこのことでしょう。
 「巨大な力に立ち向かう正義の使者」を気取ったこの物言い。あきれ果ててしまいます。
 なんか、この人、ご自分の立場がまったくわかっていないですよね。
 だって、自分は山口県下最大都市の市長ですよ。それに立ち向かっているのは、生徒数50人足らずの学校関係者ですよ。下関の在日朝鮮(韓国)人の方全員合わせても数千人じゃないですか。
 それを「数の力」って、いったいなんですか?
 しかも、何千人もの人が市役所に押し寄せたのかと思ったら、たったの70人と30人。これを「数の力」とは言わないでしょう、いくらなんでも。

 

 と書いていたら、次の共同通信配信のニュースを目にしました。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008070801000352.html

下関教育長が発言を謝罪「大変ご迷惑をかけた」
                
200878 1312

 山口県下関市の嶋倉剛教育長(44)が山口朝鮮学園の関係者に対し、朝鮮半島に対する日本の植民地支配について「歴史的事実に反する」と発言した問題で、嶋倉教育長は8日、市教育委員会の定例会で「大変なご迷惑をかけた。今後は教育行政の信頼を損なうことなく職務に当たる」と謝罪した。

 一方で、学園側が謝罪や発言の撤回を求めていることについては「直接会ったり、文書で回答するつもりはない」と説明。その上で「(日本が植民地支配を謝罪した)日朝平壌宣言の詳しい内容について認識を欠いていた。今後は政府見解を尊重する」と述べた。

 定例会で市教委の志満順三委員長は「下関市は地理的に朝鮮半島と近く、ほかの都市より関係が深い。今後は誤解を招くことがないよう注意してほしい」と求めた。

 教育長は6月、教育補助金増額の陳情に訪れた学園関係者が「植民地支配により日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人の子弟が通っていることを踏まえてほしい」と求めたのに対し、「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」と発言した。

                      (共同)



 本当にひどい奴だね、嶋倉さんって人。
 教育委員の人には「迷惑をかけた」って謝るけど、朝鮮学校関係者の方には謝らないっていうんだから。
 もう、最低!!!
 下関市民のみなさん。
 いいんですか? こんな人物、教育長にしてて。






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2008年7月 2日 (水)

自分のところの小中学校でどう教えているかも知らない下関市の教育長さんの不見識

 ポチです。
 土砂降りの雨が2日くらい続いた後は、晴天続き。
 そして、今朝はまた雨。
 この雨がすぎると、もう梅雨は明けて夏に向かうかのような天気です。
 天気予報などを観ていると、今年も猛烈に暑い夏になるようで、本当に憂鬱です。
 みなさんもお身体を大切に夏を乗り切ってください。




 さて、いま山口県を賑わしているのは、この問題です。

下関市教育長「植民地支配は歴史的事実に反する」
                asahi.com  2008年6月29日17時5分

 山口県下関市の嶋倉剛教育長(44)が26日、学校への教育補助金増額を求めて訪ねてきた山口朝鮮学園の金鍾九理事長と保護者らに、日本の朝鮮半島に対する植民地支配について「植民地支配は歴史的事実に反する」と述べた。

 同学園は山口朝鮮初中級学校を運営。この日、保護者側は「植民地支配によって日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人子弟が通っている。ほかの外国人学校とは経緯が違うことをふまえて対処してほしい」と要望した。これに対し、嶋倉教育長は「植民地支配という部分については歴史的事実に反するので受け入れられ ない」と述べた。

 保護者らは机をたたくなどして激しく抗議し、金理事長も「歴史的事実は歴史的事実と受け止めて」と主張した。嶋倉教育長は「日朝併合の部分をいかに言うかは自由」と言いつつ、植民地支配であったことは改めて否定。「そこは日朝交渉でやって頂ければいい話」と述べた。

 金理事長は「日朝平壌宣言や日本の首相談話にも植民地支配への謝罪が盛り込まれている。それを否定することは国のトップを否定することだ」と話す。嶋倉教育長は朝日新聞社の取材に「助成の話に昔の話を持ち出すのは筋違い」と話した

 嶋倉教育長は87年に文部省に入省。教育財政室長などを歴任した。下関市では前任の教育長が突然辞職して4月から空席だった。市は後任を文部科学省に求め、嶋倉氏が5月に着任した。

 下関市と朝鮮半島はつながりが深い。戦後、朝鮮半島に帰る船に乗ろうと下関には多くの朝鮮半島出身者が集まった。現在もその子孫が多く住み、約4 千人が韓国・朝鮮籍で外国人登録をしている。下関市と韓国の釜山市との間には関釜フェリーが就航し、両市は姉妹都市として提携している。(島津洋一郎)

     ◇

 山口県下関市の嶋倉剛教育長が「(朝鮮半島の)植民地支配は歴史的事実に反する」と発言したことについて、渡海文部科学相は27日の会見で、「我 が国の植民地支配によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えたという認識を政府は表明しており、私の認識も同じ。もし それに反する発言ということであれば、大変遺憾だ」と話した。



 ローカルな話題なのかなと思っていたのですが、ネットでみると、全国のあちこちで取り上げられていて、「やはり問題が問題だけになあ」と思ってしました。


 それにしても、すごい人を文部科学省からつれてきたものですね、下関市は。

 この嶋倉さんの朝鮮学校関係者との面会での発言要旨と27日の記者会見での発言、マスコミに発表したコメントが「朝日」の地域版に載っていました。
 これ、おもしろいですよ。

◆嶋倉教育長の26日の発言の要旨
 いまの話で植民地支配と言うことに部分については
歴史的事実に反しますので、それは私の方からそういう形では受け入れられない。植民地支配だということを前提に、そういう日朝併合の部分をいかにいうかは自由です。それを植民地支配だったと事実関係を変えて語ったんでは全然、事実関係は進まない。そこの部分は日朝交渉でちゃんとやっていただければいい話。そこの部分がどうだったか、皆さん方の教育に対してどのような影響があるのかは議員連盟の方でちゃんと話をしてほしい。

◆27日午前中の記者会見での発言
 併合は
植民地だという意識はない。(併合は)対等だ

◆27日午後に発表した報道各社へのコメント
 私は26日の(助成の)要望において相手から
筋違いのお話が突然出されたため、その話に立ち入ることを否定する発言を行った旨を説明したものです。私は当然のことながら下関市の教育行政を行うにあたり、政府の見解を尊重するものです。

 嶋倉さんの発言の異常振りをみてみたいと思います。

 この嶋倉さんのヘンなのは、言うまでもなく、「日韓(朝)併合」が「植民地支配」ではなく、「対等」なものだと言っていることです。
 「嶋倉剛」で検索してみると・・・・・・。
 あるわ、あるわ。「対等は常識だ」とか「併合で朝鮮の人の暮らしはよくなった。救ってやったのだ」とか・・・。

 「併合」で、朝鮮の人の暮らしがよくなったのか悪くなったのか、私にはよくわかりません。しかし、問題はそんなところにあるはずもありません。
 「日韓併合」で、大韓民国という国は消滅し、朝鮮総督府という名の日本人による支配機構がつくられ、朝鮮全土を治めた。つまり、朝鮮民族は、みずからの現在と未来を決定する権利を日本人に奪われました。これが事実であり、この事実を「植民地支配」と言わずして何というのでしょうか。

 と、まあ、私がいろいろ言うより、当の下関市の子どもたちには、何と教えられているのか、ということです。
 これも、「朝日」に載っていました。

◆下関市内で使われている教科書の記述(抜粋)

 「日本は韓国の植民地化を進め、陸軍・海軍の軍備を増強させるなど、帝国主義国としての動きを活発にさせていきました」「1910年、 日本は韓国を併合して、植民地としました(韓国併合)。朝鮮総督府をおいて支配を開始し、韓国を朝鮮と改め、首都漢城(現在のソウル)も京城と名をかえさ せました」
 =「社会科中学生の歴史」(帝国書院)

 「日清戦争ののち、台湾を植民地とした日本は、日ロ戦争後、朝鮮(韓国)を支配しようとしました。朝鮮の人々の抵抗を軍隊がおさえ、 1910年(明治43年)、朝鮮を併合しました(韓国併合)。植民地の学校では、日本語の教育を受けることになり、朝鮮の歴史は教えられず、民族のほこり を大きくきずつけられました。土地の制度が変えられ、その結果、多くの朝鮮の人々が土地を失いました」
 =小学校の「新編新しい社会6上」(東京書籍)

 でしょう?嶋倉さん。
 あなたのところの子どもたちにも、ちゃんとこう教えられているんですよ。
 あなた、どこの教育長さんでしたっけ?
 たしかに、教育長になられて間もないんでしょうけど、見識のなさにはあきれますし、あまりにも無責任と言わざるを得ないでしょう。教育長失格ですね。


 もう一つ、嶋倉さんがヘンなのは、市の助成増額をかたくなに拒否していることです。
 「朝日」の記事にはこの点に触れていないのですが、「毎日」によると、朝鮮学校関係者の要望に対し、嶋倉さんは、次のように言ったそうです。

 「助成金は公教育のルールで決まっている。市には増額する財源もない」

 「公教育のルール」とは何のことでしょうか?
 意味不明ですね。
 朝鮮学校は各種学校扱いのため、国庫補助はなく、地方自治体が独自の助成制度をつくっています。
 で、各自治体のルールは、それぞれが条例で定めます。条例は、不都合になれば、議会の議決を経ればいくらでも変えることが可能です。
 それだけのことです。
 「公教育のルール」というわけのわからないものを持ち出して、それが自分たちの及ぶ権限の外にあるかのような言い方でこれを拒否するというのは、あまりにもひどい態度だと言わざるを得ないでしょう。

 「そうは言っても日本人じゃない人にそんな助成が必要なのか」と言われる方がおられるかもしれません。
 確かに、在日朝鮮人の方は、国籍上は日本人ではありません。
 しかし、この点で、はっきりさせておかなければならないのは、在日朝鮮人の方は、所得税、住民税、固定資産税、そして消費税と各種の間接税、つまり日本政府が定めたすべての税金を、日本人とまったく同じ基準で、国と地方自治体に支払っておられるということです。
 朝鮮学校関係者の方は、日本の小学校、中学校並の予算を出せなんて言っているわけではありません。日本で生まれ、日本で育ち、その多くがこれからも日本で暮らし、日本のGDPの一翼を担っていく子どもたちの教育です。わずかな助成金の増額など、少なくとも「検討する」くらいは言ってもいいのではないでしょうか。ムキになって拒否するところに、この人の思想性があらわれているような気がします。


 それから、嶋倉さんの発言の後半、「市には増額する財源もない」という部分についてです。
 まったく、「冗談でしょう?」というような話です。
 先ほど述べたように、それぞれの自治体が条例で決めているので、自治体によって、助成の内容は異なります。
 「朝日」によると、山口県では次にようになっているそうです。
 山口県が生徒一人当たり年間5万円の補助を出しています。この金額は、一般の私立学校の5分の1だそうです。
 下関市は、それに加え、年間20万円+生徒一人当たり1000円を補助しているそうです。これは、生徒一人当たりに換算すると約5100円になります。一方、徳山朝鮮初中等学校のある周南市は生徒一人当たり年間2万円の補助を出しているそうです。
 つまり、周南市では、県市合わせて生徒一人当たり7万円の補助が受けられる。しかし、下関市では55100円というわけです。
 人口で、周南市の2倍もある県下最大の都市の下関市の朝鮮学校への助成が、県下でも財政破たんがもっとも深刻な市の一つである周南市のより少なく、その理由として「財源がない」なんてひどい言い草です。
 下関では、莫大な税金を投入して、沖合いへの人工島建設がすすめられています。しかし、未だにこの人工島を何に使うのかも定かでないという有様です。また、いまある関門橋(中国縦貫道の下関と門司をむすぶ橋)で何の不自由もないのに、第二関門橋建設の計画は依然として健在です。
 「財源がない」というのだったら、こういうところに使うお金こそを削ったらいかがでしょうか。わずかを削るだけで、朝鮮学校への助成金などいくらでも出ることでしょう。




 そして、最後の問題点として、あげておかねばならないのは、27日午後の「言い直し」コメントで、補助金増額の要請に歴史問題を持ち出すのは「筋違い」と言われたことについてです。
 朝鮮学校関係者の方が言われたのは、記事にもあるとおり、次の点です。

 「植民地支配によって日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人子弟が通っている学校であり、ほかの外国人学校とは経緯が違うことをふまえて対処してほしい」 

 話しておられる内容については、いろんな人がいろんな見解をおもちでしょう(たとえば、意見が分かれるであろうと思われる点は、「日本に渡航せざるを得なかった」という主張でしょう)。
 しかし、そんなことは、この際関係ありません。あくまでも、助成金増額要望と歴史問題の「筋違い」なのかどうかという問題だからです。
 もし、かりに朝鮮学校関係者の方々が、「ワシらは、植民地支配で苦しめられたんだ。その分増額せい!」とでも要望されたのであれば、「筋違い」と言えないこともないかもしれません(その場合でも、私は「筋違い」とはとても表現しないでしょうが)。 
 ところが要望されていることは、「歴史的経緯を踏まえて対処してほしい」というもので、誰がどう考えても立派に筋が通っています。
 これのどこが「筋違い」なのでしょうか?さっぱりわかりません。


 さて、江島潔下関市長は、この問題でしきりと嶋倉さんをかばっておられます。
 曰く、「政府見解を尊重するといっているのだから問題ない」そうです。その政府見解と違うことを言ったから問題になってるんですけどね。
 本当につまらない人物です。

 まあ、市長さんが何と言おうと、嶋倉さんに教育長としての資格も資質もないことは明らかですね。即刻お辞めになった方がよろしいかと。



 ということで、久しぶりに長いエントリになってしまいました。

 もう7月。今年も半分が過ぎたのですねえ。
 仕事に追われて、時のたつのが早いと、少々あせっているポチでした。
 では、また。









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2008年1月26日 (土)

道路満足度日本一の県のうそとごまかしのパンフレット

 ポチです。
 本当に寒い日が続いています。昨日、山口市に住んでいる同僚が言っていましたが、山口市の山沿いでは雪が積もったそうで、「車の上に雪を積んで出勤した」とのことでした。
 そろそろ、宇部市でも降るのかなあ。
 スタッドレスタイヤに換えた方がいいのかどうか、財布と相談中です。


 浜田省吾さんの2005年から2007年のツアーを収録したDVDが4月2日に発売されることが決定しました。
 さっそく、財布と相談をせず、予約申し込みをしておきました。
 ウ~~、楽しみだ。
 ウ~~、カミさんには内緒だ・・・。



 ということで、本題です。

 ガソリン税の暫定税率問題での議論が華やかです。
 23日に開かれた暫定税率維持を求める決起大会で気勢を上げる国会議員や地方議員の姿をTVのニュースで流していました。
 暫定税率撤廃を求めている民主党からも3人の国会議員の方が参加されて、「これがわからないようでは、うちの党はKYだ」などと叫んでおいででした。

 本当に、みなさん、道路が好きですねえ。

 で、暫定税率をなくしたら、「道路ができなくなる」「地方財政が大変になる」など、「脅し文句」のオンパレードです。
 でも、この脅し文句って、「ちょっと待ってよ」っていう内容ばかりです。
 この辺は、岩国市長選挙での「このままでは第二の夕張になる」などの脅し文句と似ていますね。



 この脅し文句への「ちょっと待ってよ」という話を山口県の場合でしましょう。


 国交省道路局が毎年おこなっている「道路満足度調査」というのがあるのをご存知でしょうか?
 道路利用者に対して、「非常に満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「非常に不満」「わからない」という選択肢で調査をしています。
 平成17年度の調査結果がこれ↓です。

   http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-user/h17s.pdf

 ご覧になったらわかるように、「道路全般についての満足度」では、2位の北海道、石川県の「3.12」を大きく引き離して、「3.31」で全国トップに君臨しているのが山口県です。その前の年の調査でもトップでした。
 他の県から来た人の多くが口をそろえて、「山口県の道路は整備されているねえ」とおっしゃいます。「島根県や広島県から山口県にはいると突然道路がよくなる」という声も聞きます(島根・広島両県の方、ごめんなさい。いえ、私が言っているのではないのですよ。あくまでも、そういう声があるということで・・・)。
 8人も総理大臣を出した県だからでしょうか。異常に道路はいいです。というよりも、立派な道路だらけです。
 仕事柄、県内をあちこち車で走るのですが、中国山地の山奥に、突然と立派な道路が出現します。近所の方以外の車がいったい何台通るのだろうかと思える道ばかりです。


 で、そんな山口県ですが、まだまだ道路をつくり足りないようです。ものすごいパンフレットを作成していることを発見しました。
 大金つぎ込んだと思われる立派なパンフレットですが、他の県でもこんなものつくってるんでしょうか?

Photo

 ですから、このパンフレットが言いたいのは、

 「命をつなぎ、暮らしをささえ、未来をひらく」ために、暫定税率の維持が必要だ

 と主張しているわけです。

 国の言いなりになって
 「公立病院は閉鎖の方向で、地域医療はどうなっても構いません」
 「療養病床は大幅に削減し高齢者の行き場をなくします」
 「後期高齢者医療制度は必要です」
 「中小企業予算は削り、倒産してもしかたありません」
 「教育予算も削ります」
 「非正規雇用の増大で貧困と格差をいっそう拡大します」

 そんなことをしても大丈夫ですか?

 「大丈夫です。道路さえどんどんつくっていけば、命をつなぎ、暮らしをささえ、未来をひらくことができるのです」

 ということなんでしょう。



 で、中身を見ていきましょう。

2

3


 上の2つの画像が見開きになっています。
 この2ページでは、利用者の満足度とは無関係に山口県の道路事情がいかに劣悪かということを訴えています。

 でも、ここには、県民が知らないことをいいことにした「本末転倒」と「うそ」と「誇大広告」
が満ちています。

 「命をつなぐ道づくり」
 どうやら、山陰自動車道をつくることで、医療機関へのアクセスが改善されると言いたいようです。
 しかし、こんな本末転倒な話はありません。
 どうして長門市内の人が関門医療センターまで行かなければならないのでしょうか?どうして萩市内の人が島根県の浜田医療センターまで行かなければならないのでしょうか。
 「地理的不利」の解消だと言っていますが、「効率化」の優先と医療費の削減で、地域の医療機関を成立たなくさせ、「地理的不利」をつくりだしたのは、国と県自身ではないですか。その解消のために道路建設なんてとんでもありません。
 いま、必要なのは、安心してかかれる身近な地域医療の再生であって、けっして道路ではありません。



 「中山間部などの脆弱な道路網」
 ウヒャ~、すごい写真を持ち出してきたものですね。
 「脆弱な道路網により、災害時など不安な日常生活を強いられています」などと自然現象のように言わないでください。そうしてきたのは山口県自身なのですから。
 そして、この表現ではあたかも「県は一生懸命努力しているのですが、お金がないので、ここまで道路整備ができないのです」と言っているようです。
 うそでしょう、それは。
 「こんなところにお金が使えるか!」って放置していたんじゃないですか。
 こんな道路↓には無尽蔵にお金を使うくせに。

Img_2514

 上の写真は、今建設中の「宇部湾岸道路」です。
 豪華な「二階建て」で、下側が一般県道、二階部分が高速走行可能な高規格道路だそうです。
 わずか4.5キロの道路をつくるのにかかる費用が860億円。

 なんと1メートル当たり1900万円!

 しかも、もっと膨らむ可能性もあるとか。
 そして、この4.5キロは、山口県の中南部を結ぶ広大な計画の一部で、そのすべてを実行すれば数千億円はかかるのではと言われています。
 どうしてこんな道路が必要なのでしょうか?
 よくわかりませんが、とにかくこんな道路をつくるのには異常なほど熱心です。
 そして、その陰で、パンフの写真のような生活道路が放置されてきているのです。
 これを「うそと誇大広告」と言わずして何というのでしょうか。



 さて、県のパンフレットをさらに見ていきましょう。

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 この2ページは、道路特定財源と暫定税率の維持がいかに大事で、必要なのかを数字を使って説明している部分です。

 道路をつくることも、維持することも、借金を返すこともできなくなるそうです。

 これを県民が読んだら、「そりゃあ大変だ」となることは間違いありません。
 ただし、ここには重大なうそとごまかしと前提の立て間違いがあります。

 「暫定税率がなくなったら交付金もなくなる」というのはうそです。
 交付金の原資にも暫定税率による資金が入っているようですから、減るのは確かだと思いますが、なくなるということはあり得ません。

 「借金も補助金も得られない」というのはごまかしです。
 借金するのも補助金を得るのも「事業をする」ということが前提ですから、当然県自身のお金(わかりやすく言えば、ローンをする場合の「頭金」ですね)が必要であることは当然です。
 ここでのごまかしは、その頭金を道路特定財源から出すことしか考えていないことです。一般財源から「頭金」を出せば、借金もできますし、補助金をもらうことも立派にできます。「一般財源から出す金はない」と言われそうですね。
 そうなんですよ。お金はないんでしょう。だから、本当に必要な道路だけつくればいいのです。自分の懐具合に合わせて必要な道路をつくればいいのです。

 「前提の立て間違い」というのはこの点です。
 一つは、道路満足度日本一の山口県であるにもかかわらず、「年間925億円も使って道路をつくる必要がある」としている前提です。
 もう一つは、道路特定財源への異様な固執です。
 道路特定財源をやめて、交付税にして一般財源に入れてもらえばいいじゃないですか。そして、必要な道路を堅実につくり整備していけばいいのです。道路特定財源にしているから「道路にしか使えない」「あるだけお金を全部つぎ込んで道路をつくる」となるんじゃないですか。


 うそとごまかし、誇大広告で県民を騙すために、県民の税金使って立派なパンフをつくる。
 ホント、サイテーですね。



 山口県の言い分から道路特定財源問題と暫定税率問題をみてきました。
 これらが必要なのは、先にも紹介した「宇部湾岸道路」など、無駄な道路建設をすすめるためであることは明らかです。
 なんせ10年間に道路予算に59兆円使うというのですから。
 しかも、この59兆円のうち、「国際競争力の確保」のための道路建設が24兆円。
 「国際競争力の確保」って何のことだと調べてみたら、重要港湾や重要空港から高速道路へのアクセスを10分以内にすることだそうです。
 つまり、「この港からこの高速道路のインターまで13分かかる。これでは国際競争にうち勝てない。それでは、この3分を縮めるために新たな道路をつくしましょう」ということのようです。3分縮めて国際競争に勝てるのかどうか知りませんが・・・・。

 自民党とゼネコンがもたれあい、必要もない道路を果てしなくつくっていく。
 そのための税金で国民はどんどん疲弊していく。
 車にも乗れず、ストーブも満足につけられない。

 そして、国は滅んで立派な道路だけ残った・・・。

 そんな日本にしてしまわないうちに、自公の政治を終わりにしましょうよ。





 

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2007年12月 9日 (日)

よくわからん・・・山口県民

 ポチです。
 前日の記事で、大きな宿題を書き終えて、ほっとしています。
 これからは、短い記事を書くように努力します。



 さて、安倍さんがモゾモゾと動き出したようです。

安倍前首相おわび行脚、地元歓迎で目潤む
                                                  (nikkansports.com)
 安倍晋三前首相(53)が7日、昭恵夫人(45)とともに、突然の首相退陣に対するおわび行脚で、選挙区のある山口県に入った。有権者に、政治家“続投”への理解を求めるとともに、本格的な政治活動再開を宣言した。
 電撃辞任にもかかわらず、地元の安倍人気は相変わらず。会合を行った下関市内のショッピングセンターには、買い物客約500人が詰めかけ、安倍氏は握手攻めとカメラ付き携帯電話を手にした人でもみくちゃになった。昨年9月の首相就任以来初めてで、1年3カ月ぶりのお国入り。安倍氏は会合で開口一番、首相辞任を謝罪し「今後は一国会議員として、初心に戻って全力を尽くす」と出直しを誓った。のべ1300人の参加者に「感激で目が潤んだ」と笑顔をみせた。
 会合に先立ち、安倍氏は山口県庁を訪れ二井関成知事(64)らと会談、記者会見にも臨んだ。体調不良による首相退陣というダブルのダメージを受け、次期総選挙は比例転出の憶測も流れたが、安倍氏は、現在の山口4区から立候補すると表明。体調は「胃腸の機能も回復し、体重も首相就任時まで戻ってきた」といい、11月30日に東京都八王子市の高尾山に登ったことを明かし「頂上まで登れて体力に自信がついた」と、不安がないことを強調。首相再登板の可能性には「今はそんなこと全く考えていない」と慎重だった。
 安倍氏は今回のお国入りを機に本格的な活動を始めるが、政治家としての影響力をどこまで取り戻せるかはまだ未知数だ。


 そうですか。
 地元の安部人気は相変わらずなのですか。
 買い物客500人が詰めかけたのですか。
 のべ1300人が参加したのですか。

 ・・・・・よくわからん。我ながら山口県民って。


 そうですか。また出るのですか。
 もうやめればいいのに。


 でも、心配なのは、山口4区。民主党の候補者が決まってないのですよ。
 民主党県連は、4区での候補者擁立をあきらめたかのようなコメントをどこかの新聞で読みました。
 共産党は、1区にしか出さないというし・・・・・。

 まさか、無投票?ということはないでしょうね・・・・。

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