住民を欺く、あまりにもひどい国・山口県・岩国市の手口
ポチです。
台風が近づいています。
去年は、山口県の方にはまったく来なかったのですが、どうやら今年は台風の「当たり年」になりそうです。
会社の同僚が言っていましたが、暑い夏のあと、早く涼しくなった時には日本列島に台風が数多く来るそうです。
ウソかホントか知りませんが、いやな感じです。
何年か前に山口県に台風が直撃した時は、我が家は5日間くらい停電が続きました。我が家は、丘の中ほどにあるのですが、頭にくるのは、家に帰る途中の家々には、ズ~ッと灯りがついていて、我が家より高いところにある家にも灯りがついていて、そして、我が家の周辺だけが真っ暗という状況が続いたことです。
お向かいさんはオール電化住宅で、お湯を沸かしてカップラーメンも食べられなければお茶も飲めないということで、実家の方に逃げ出していました。
さあ、今年はどうなることやら・・・・。
さて、今日は、その後の「岩国」です。
岩国愛宕山問題 市議ら内部文書公表
2008年09月10日 asahi.com
米軍岩国基地への空母艦載機移転に伴い必要となる米軍住宅の候補地と国が位置づける愛宕山地域開発事業地について、移転に反対する岩国市議らが9日、国が市に対して米軍住宅転用への了承を求めたとの内容が書かれた文書計3通を公開した。すべて4月中の日付で同市の「愛宕山地域開発室作成」とされ、
県や市の職員の協議内容が記されている。市は「文書の真偽がわからないのでコメントできない」と話している。
このうち「愛宕山地域開発等に係る市長協議」と題する文書は、愛宕山問題などで国と県から、福田良彦市長に意向確認したいとの申し出を受け、市長や市幹部による協議が記されている。
意向確認の内容は(1)愛宕山への米軍住宅建設を水面下で了承するか(2)米軍住宅建設用地が足りないので愛宕山周辺の市有地15ヘク
タールを国へ売却するか(3)8月の知事選までは愛宕山問題は封印する――など7項目。文書には市長が周辺市有地の売却以外は了承したとの記載もある。
また、文書からは、市が米軍住宅を了承しなければ、岩国基地の軍民共用空港化を進められないとする国の見解が読み取れる記述もある。
これまで市は、内部での協議自体は認めているが「国からの打診はない」「打診を想定した協議」と説明している。会見した重岡邦昭市議らは「文書は想定問答とは言い難い生々しいもので、市民の利益につながると信じるので公表する」と述べた。
さらに市議らが市に情報公開請求をしたが非開示となったことを明らかにし、「文書が(市の内部文書と)違うのであれば、市が照合すべきだ」と話した。今後、市議らは市議会でこの問題を取り上げると共に、希望する市民に文書を公開するという。
会見後、大伴国泰副市長らは「情報公開請求で公開できないと回答した。文書自体は市のものなのかわからないが、それを公開するのは許せない」「意思形成過程であり市民を混乱に陥れる」と反論し、市議らに口頭で抗議した。
防衛省広報課は同日、「市に米軍住宅への転用を打診したことはない」と文書の内容を否定している。
(写真は、記者会見する市議ら=「中国新聞」からお借りしました)
いま、岩国市民の大きな関心事は、仮に米軍の艦載機が岩国に移転してきた場合、愛宕山に米軍住宅ができるのかどうかです。
愛宕山開発については、この記事とこの記事を参照にしてください。
愛宕山の住民たちは、良好な住宅団地ができるということで、国や県、市に協力して、土地を売却してきました。それが、突然、米軍住宅になるかもしれないとなり、怒りと不安が沸騰しています。
福田市長は、これまで「国からは愛宕山を米軍住宅地にとの打診はない」と一貫して主張し、住民の怒りから自らの身を避けてきました。
しかし、今回、市議らが手に入れた文書によると、その言明がまったくのでたらめだったということになるわけです。
岩国の友人に頼むと、この文書の中の1つを手に入れてくれました。
すごいですよ、この文書。
「国及び県からの確認事項」という表題のついている文書なのですが、国や県が岩国市に出している要請を市がまとめた文章のようです。
これを読むと、「打診はない」というのはまったくの大嘘であることはもちろん、「打診」どころの騒ぎではない重大なやり取りがされているようです。
その文書というのがコレです。
画像では読みにくいと思いますので、テキストにしておきます。
国及び県からの確認事項
1、福田私案の取扱い
・公式には、2月26日の市長、知事協議で3/4部分については、集団移転の話はないものである。
・これまでの市長と国及び県との水面下の協議の経緯からも、事実上廃案との認識であるが相違ないか。(1/4部分も含む)
・アンケート調査等を実施して打ち消す意向を示されたが、本当にそのような手法を使って打ち消すのか。逆効果となるのではないか。
2、3/4の意思確認
・(水面下で)当該地域での米軍住宅建設の了承の意思を明確にしてほしい。
・その了解がなければ民間空港再開はストップすることになる。
3、B地区の取扱い
・米軍住宅用地は、7~10ha不足しており、(水面下で)B地区の15haの売却も了承してほしい。
・当該用地は塩漬け状態であり、財政的にも実施は当面困難と見込まれるので、氏が売却するな買う。
・本当に、特例債を活用して、今後、野球場等を建設する意向なのか。
・後から、国に要望を行っても対応はできない。
4、知事選挙まで愛宕山問題は封印の再確認
・国家プロジェクトに協力するので国に買い取り要望をしているが、国からは返事がない。用途は買取り後に国が考える。
・当分の間は、このトーンで説明する。
・都市計画変更の説明会でも、この基調で説明することになる。
・市のまちづくり部分の説明は市のことである。
5、まちづくり部分で市が何を実施するのか決めてほしい
・民間売却、公共施設は前市長の方針であるが、現市長も同様の方針か。
・もしそうであるなら、具体的なものを早く提示してほしい。(昨年7月から検討しており、いいかげんに結果を出してほしい。)
・何が出来るかにより、県道の線形に影響がある。
・何ができるか、米軍も気にしている。
6、国病跡地の利用について
・何を予定しているか提示してほしい。
・タイムスケジュールが違うとの認識を示されたが、今を逃せば、国(防衛省)の女性は難しい。(国が積極的にならない。)
7、まとめ
上記の問題は、すべてリンクしており国は再編チームが総括している。県は副知事と総務部が総括している。岩国市は、個別対応しているが限界があるのではないか。副市長とかが総合調整を行い、交通整理を行う時期ではないか。
今後、可燃物処理場移転の米側要望の可能性もあり、また、民間空港のインフラ整備もある中で、総合的な条件闘争を行い、国、県を利用して支援を大きく求める戦略が必要である。
これ以外に、この国・県の要望をどうするのかを市が協議した内容の文書もあるようですが、それは手に入れられませんでした。
この内容は、もうメチャクチャです。
私にもよくわからない部分があるのですが、わかる範囲で解説をしておくと、
まず、1の部分です。
「福田私案」とは、福田市長が衆院議員当事に出したもので、「現在の米軍岩国基地周辺の住民をすべて愛宕山に集団移転させればいいじゃないか」というものです。まったく無責任な「案」で、発表当初は誰も相手にしませんでした。
しかし、彼が市長になると話は変わります。基地周辺の自治会の一つが、「艦載機移転となると、もうこの地には住めない。この案を実行せよ」と福田市長に今、迫っているところです。
それで、国や県は「こんなアホな案はなかったものにします」と言っているわけです。
この文書からわかる重大な点は、福田市長は国や県に対し「アンケートを実施し、その結果を操作して、『やっぱ、この案はダメだわ』とする」という意向を示していることです。住民の声や怒り、不安をもてあそぶとんでもないやり方です。絶対に許されるべきものではありません。「逆効果ではないか」と国が心配するのも当然でしょう。
次に2の部分です。
これも重大です。国や県は、愛宕山に米軍住宅を建設することを了承するようあらためて求めていることです。
しかも、「民間空港再開」を脅しの手口に使っていることです。この「民間空港再開」とは、福田さんが市長選で公約し、商工会議所の強い要望である岩国基地を民間空港として活用するというもので、市長選挙当時は、国もしきりに支援を約束していたものです。
文字通り、「二階に上げてはしごをはずす」という類の脅迫に他なりません。
3についてです。
現在、「水面下」で米軍住宅用にすることが決まっている面積では、どうやら足らないようです。「どうせ塩漬けの土地だろう?買ってやってもいいよ」というわけです。
で、市は合併特例債を使って、この土地に野球場をつくるという案を持っているようですが、「おまえ、本当にそんなことするの?あとで、やっぱ買ってくれって言っても知らねえよ」とまたしても脅迫です。
続いて4です。
「国家プロジェクトに協力するので国に買取りを要望」というのは、そもそも愛宕山開発そのものが、米軍基地拡張のための埋め立て土砂をとることと一体のものでしたので、そのことを刺しているのか、それとも艦載機移転のことを言っているのか不明ですが、とくかく色々言っても国は用途については「返事はしない」。そして、買った後で「米軍住宅にしますよ」と言うわけです。
そして、市には、「そのつもりで、都市計画の変更の際も住民に説明しなさい」、つまり、住民には最後までウソを突き通しなさいと命令しているわけですね。
長くなっているので、5、6については省略します。ここにも重大な脅迫があるのですが。
そして、7です。
この部分は、1~6の国、県の要望を受けた市としての担当者の感想ですね。
最後の部分、「国、県を利用して支援を大きく求める戦略が必要である」ときました。冗談じゃありません。米軍艦載機を受け入れ、愛宕山を米軍住宅にし、岩国を市民が住めない街にして、何が「支援」ですか!
いったい、誰のための「支援」なのですか?
発想が根本から間違っています。
住民を騙し、艦載機受け入れをすすめようとする国や県、それに追随する岩国市。 いったい、この国はどこに行ってしまうのでしょうか。
しかし、今、岩国市民は怒っています。そして、様々な住民運動を起こしがんばっています。あれこれの策動はありながら、艦載機移転の策動は、市長選挙から半年以上たちましたが、一歩たりともすすんでいません。
この文書の公開で、その怒りはますます燃え上がるでしょう。
艦載機移転をストップするまでイワクニはがんばるでしょう。
私も微力を尽くしたいと思っています。
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ポチです。
昨日は朝起きたら、外は真っ白でした。この冬初めて積もった雪でした。昼ごろには消えてしまったけれど・・・。
みなさんのことろはどうですか?
雪に慣れていない地域は車の事故とか、渋滞とかで大変になるんですよね。
体調不良で更新ができなくてすみません。
実は、昨日・今日と頭が割れるように痛くて仕事を休んでいます。今日は、昨日より少し頭の機嫌もいいようなので更新に挑戦してみます。
最初に、なぜ頭が痛くなったのかの説明をしておきます。
前の記事を読んでいる方はご存知だと思うんですが、実は私は頚椎に持病があって、一昨日、3回目のブロック注射をうけました。
首の後ろを消毒して、
Dr(女医さんです)「それでは、いきますよ~」
ここまでは、いつもと同じだったのですが、その後がいつもとヘン。
Dr「あ!」
とか言って、どたばたして、えらく時間がかかるのです。首の後ろの方に注射を打つので、どうなっているのか私にわかりません。
そして、少し薬を入れるたびに、
Dr「ポチさん、足首は動きますか?」「手にしびれは?」
などと、これまでは聞かれたことのないことを聞いてくるのです。
そして、注射が終わった後・・・・
Dr「ええとですね。針をさしたときに髄液があがってきたんです」
それって、脊髄に針を刺したってこと?
Dr「その後、針を刺しかえて、正確なところに薬は入ってるんですが、小さな穴が開いていると思うので、髄液が流れ出すんで、頭痛が4日から1週間くらい続きます。その場合は、鎮痛剤を飲んで安静にしておいてくださいね。命の別状はありませんよ~」
ゲッ! 命に別状があったら大変だよ。
注射の後はとくに何でもなく、その日は一日仕事をしたのですが、昨日の朝になって、起きてみると、やはり激しい頭痛でした。
ということで、昨日、今日と休んでるというわけです。
実は、もっと面白いことが病院であったので、ぜひとも報告しておきたいのですが、長くなりますので、この次に書きますね。
さて、今日のテーマは、一つ前の記事「たたかいはこれからだ」に寄せていただいた「岩国市民の別のひとり」さんからコメントに答える形で、岩国市長選挙の結果について考えてみたいと思います。
最初に、「岩国市民の別のひとり」さんからのコメントを再掲しておきます。
福田さんに投票した一人として発言します。
私は脅されて投票していません。
利権とも何の関係もありません。
ただ、前市長のこれまでの旧郡部政策のひどさから、
福田さんに頼るしかなかったのです。
それを「だまされた」と捉える人も多いでしょう。
しかし、「財政再建」の名の下に、
旧郡部各地で地域の行事が縮小され、
あるいは中止されてきたことから考えても、
その「財政再建」の犠牲となってきた地域に住む者として、
前市長に「どうぞ続けてください」とは言えませんでした。
なぜなら前市長は、合併時の約束を守らず、
旧郡部を「だまして」きたからです。
市庁舎建設費用に関しての道理は前市長にあります。
国の行ってきたことは滅茶苦茶です。
それらの「不正義」に、自民党国会議員として、
福田さんが関わってきたことも知っています。
米軍基地なんていりません。
米軍住宅もいりません。
しかし、住んでいる地域が衰退していくのを見て、
「理念」だけではやっていけない私のような人がいることを、
福田さんへの投票者を「脅された」「だまされた」「利権に汚れた」人間だと批判する人に知ってほしくて、
このような書き込みをしました。
もう一つついでに、
福田さんへの投票を依頼していた人のほとんどは、
前市長への投票を依頼していた人のほとんどと同じく、
岩国の未来を真剣に心配しているのだということも
分かってほしいと思います。
中には高圧的な人もいたかもしれません。
会社の上司からの圧力があった人もいるかもしれません。
しかし多くの人は、迷いながらも福田さんを選んだのです。
それは、今回の選挙で福田さんに投票した人の6割が、
前回の選挙で前市長に投票したということからも
(出口調査の何かに書いてありました)
分かると思います。
私は福田さんを完全に信用してはいません。
投稿 岩国市民の別のひとり | 2008年2月12日 (火) 23時36分ですから、これからの行動を、
やむにやまれず投票した一人として、
しっかり見ていこうと思います。
岩国市民の別のひとりさん
最初に書いた理由により、お返事が遅くなって申し訳ありません。
前の記事のコメント欄でも書きましたが、まず最初に、あなたのような苦渋の選択をされた方がたくさんいらっしゃることは存じています。福田さんに投票した方みなさんが「利権あさり」のために投票したというふうには考えていません。それで、「たたかいはこれからだ」の記事の中でも、
>市財政を心配し、善意で福田さんに投票した人を含め、これからの岩国市、山口県を考えていかねばなりません
と書きました。
でも、私の言葉足らずで、そのようにお読みになったのなら、申し訳ないと思っています。これからの岩国市を考えていく上で、あなたのような方のお力がどうしても必要だと思います。
その上で、あなたのコメントに関していくつか意見を述べさせていただきます。
まず、最初にお断りしておかなければならないことがあります。
あなたは、井原さんを押した人たち(当然、この中に私も含みます)が、福田さんに投票した人たちに貼ったレッテルについて、「脅された」「騙された」「利権をあさった」という3つのフレーズをあげていらっしゃいます。
しかし、この3つは、どうしても同列では論じられないものです。なぜなら、「利権をあさる」人たちによって(だけではないんですが、話がややこしくなるのでここではそういうことにしておきます)、市民は「脅され」「騙され」たからです。ですから、「利権をあさる」特殊な立場の人と「脅され」「騙された」普通の有権者は、まったく別次元で扱われなければなりません。
そして、あなたの論旨は、普通の有権者の立場に立ったものだと思いますので、この記事では、「脅され」「騙され」という点を中心に書きます。「利権をあさった」問題を捨象して書いている部分があるのは、そういうことだと理解してください。
もう一つ、お断りしておきたいのは、「脅された」という言葉についてです。
あなたがどういうイメージを持ってこの言葉を使われたかはよくわかりませんが、私がここで使う場合、「脅され」というのは、「面と向かって恫喝されて」ということだけではもちろんありません。「福田さんが市長にならないと第二の夕張になって、市財政が破たする」あるいは「市民税もあがって生活が大変になる」などというのも立派な「脅し」です。そういうものとして使っていますので、ご理解ください。
さて、やっと本題です。
あなたは、福田さんに投票された方のほとんどが、岩国の未来を真剣に考えた結果だと書かれました。「ほとんど」かどうかはともかく、そうした方が数多くおられたのであろうことを否定するつもりはまったくありません。
しかし、そのことは、あなたが言うように、福田さんに投票された方々が脅されたのでも、騙されたのでもないという論証には決してなりません。「脅され」た結果、「騙された」内容で「岩国の未来を真剣に考えて」福田さんに投票する可能性もあるからです。というより、多くの福田さんに投票された方はそうだったのではないかと思っています。
それは、あなた自身が、
>それを「だまされた」と捉える人も多いでしょう
と書いているとおりです。
このことを考える上で大切だと思うのは、今回の市長選挙の争点はなんだったのかという点です。
やはり、唯一、そして絶対的な争点は、艦載機移転を容認するのか、拒否するのか、ということだったと思います。それは、市長選に至る経過からも明らかです。暮らしや福祉や子育てや他のどの問題が議論されたわけでもなく、「艦載機移転容認」を迫る勢力から、その一点で担がれた候補者が福田さんでした。
しかし、あなたも言われているように、かならずしも有権者はそのことを判断基準にはしませんでした。なぜでしょうか?
共同通信が10日におこなった出口調査では、
艦載機移転反対 41.0%
容認 17.2%
やむを得ない 36.8%
という結果でした。容認の方は反対の方の半分足らずにすぎませんでした。しかし、僅差とはいえ、福田さんが勝利しました。
問題は、この「やむを得ない」という方々です。「やむを得ない」という方が艦載機移転に消極的ながら反対の立場であることは明らかです。そして、福田さんに投票した方の7割以上は、この「やむを得ない」層だったそうです。たぶん、あなたも、ここに入るのではないでしょうか。
唯一、絶対であったはずの争点が見事にずらされている姿がここにあります。
では、何が「やむを得なかった」のでしょうか?
暮らしでしょうか、福祉でしょうか、仕事でしょうか?
井原さんの主張と福田さんの主張のどこに「やむを得ない」とするほどの違いがあったでしょうか。
正直に言って、ほとんどの違いはありませんでした。
福田さん陣営が一生懸命主張し続けていた「市財政の深刻さ」だって、福田さんが市長になったら、市の財政が突如として改善するなどということはありえません。同じ額の借金を背負った財政運営をおこなわなければならないのです。
もし、違うところがあったとすれば、それは10年間で134億円とも言われている「再編交付金」の存在です。もし、井原さんが当選し、艦載機移転を拒否し続ければ再編交付金はなかったかもしれません。そして、福田さんが市長になれば確実にこのお金は交付されるでしょう。
しかし、これとて、年平均にして13億円、年間450億円の一般会計予算をもつ岩国市にとってみれば、けっして大きいとは言えない額(少ないとは言いませんが)にすぎません。福田さんが掲げた公約を考えれば、余りに少ない額だという言い方もできます。選挙中、福田さんが「5千億、1兆円の補助金を国から引き出す」と言ったといううわさを聞きましたが、そこまでいかなくても、福田さんの公約をすべて実現するには、少なくとも数百億円から1千億円程度の資金が新たに必要になるでしょう。そして、そんなことは荒唐無稽な話です。
逆に、10年か経過し、補助金がなくなったとき、岩国市は塗炭の苦しみを味わうことになります。こんな交付金は、麻薬のようなもので、切れたときに大きな困難がやってきます。そして、交付金の魅惑にとりつかれて、交付金欲しさに際限がなくなってしまうのです。つまり、次の「基地強化策」を積極的に推し進めようとし始めることにもなりかねません。
このことは、原子力発電所を立地した自治体で立証済みです。原発立地自治体には電源三法交付金(という名前だったと思うのですが、不正確だったらすみません)が支給されます。その交付期限が切れそうになるたびに、「どうか2号炉、3号炉の建設を」との要望が起き、そして、次々に増設されていっています。
一度膨らんでしまった予算規模を縮小するには、さまざまな施策を打ち切らねばなりません。それには、莫大な労力と苦しみ、痛みをともないます。そんなことをするより、さらなる補助金を得られるほうがよいというわけです。
そして、その13億円も、福田さんにむらがる利権集団によって、あっという間に食い尽くされていくでしょう。市の職員の中からも、「市役所の中を利権屋が大手を振って歩き出すのが不安だ」という声があがっているそうです。
あなたの言う旧郡部に対する施策についてはどうでしょうか?
これも同じことが言えます。
あなたは、井原さんが合併の約束を破って、「財政再建」の名のもとに旧郡部の施策を縮小してきたと主張します。
あなたが井原さんに怒りを覚えるのは当然のことです。
しかし、それは、井原さんが市長だったからそうなったというものではなく、誰が市長であってもそうなったでしょう。
そして、福田さんが市長になっても同じことです。
なぜなら、地方行革の推進、それが唯一の市町村合併の目的だからです。宇部市に合併された旧楠町の友人、小野田市に合併され山陽小野田市となった旧山陽町の知人、そして、萩市に合併された旧須佐町の友人、誰もがあなたと同じ思いをもっていました。合併すれば、必然的にそうなるのです。
ですから、私は、市町村合併には絶対に反対です。
以上のことから言えるのは、艦載機移転問題以外に井原さんと福田さんに大きな違いはない、少なくとも「やむを得ない」という気持ちを抱くほどの違いはないということではないでしょうか。
にもかかわらず、「やむを得ない」となったのは、この最大の争点であった「艦載機移転問題」を争点からそらし、この問題を後景に追いやろうとする明確な意図を持った福田さんとその陣営が振りまいた事実に基づかない情報です。
福田さんが市長になれば、暮らしがよくなる、福祉もよくなる、旧郡部への施策も改善される、そして、市財政も建て直せるという事実誤認です。
福田さんが振りまいたのは、まったくの幻想でした。その幻想が生み出した「やむを得ず」の選択だったのではないでしょうか。
私たちは、そうした幻想を生み出す手法について、「脅し」「騙し」と表現したのです。
私は、艦載機移転反対の一点で、井原さんを応援しました(たいしたことはできていませんが)。この一点でいう限り、井原さんの信念はすさまじいものがありました。それは、私の想像を超えるものでした。心からたいしたものだと思いました。
しかし、誤解を恐れずに言えば、井原さんも福田さんも基本的には、自民党の流れをくむ保守的な政治家です。能力のあるなし、金にきれいか汚いかなどの違いがあるのかもしれませんが、それらの違いも、保守的政治家という大きな枠組みの中では、根本的な違いではありません。ですから、過去の井原市政のなかには住民にとってひどい施策もあったと思います。合併もその一つです。
繰り返しになりますが、だからこそ、市長選挙の唯一、絶対の争点は「艦載機移転問題」だったのです。
前々回の記事「岩国の三日間」にも、井原陣営のビラを引用して、
厚木は50年苦しんできました。これからの50年が問われる選択です
と書きました。そうです。
今度の市長選挙は、厚木の苦しんだ50年を岩国が味わうのかどうか、それこそが問われていたのです。
雑音に惑わされず、この一点で選択されていれば・・・と心から思っています。
文章が下手で、自分の言いたいことを十分に言いあらわしたとはなかなか思えません。もっとわかりやすい言い方があったのではないかと今も思っていますが、長くなりましたので、これで終わります。
最初にも言いましたように、これからの岩国市にとって、あなたのような存在がとても大事だと思います。
>これからの(福田さんの)行動を、やむにやまれず投票した一人として、しっかり見ていこうと思います
という思いを大切にして、市政をみていってください。よろしくお願いします。
頭痛がひどくなってきました。
それでは、また。