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2008年8月

2008年8月28日 (木)

変わらぬ大義――それは「弱いものを助け、命を尊重する」こと

 ポチです。
 ついに起こってはならないことが起きました。
 伊藤和也さんのご冥福を心からお祈りします。

 ペシャワール会は、1984年に中村哲さんがペシャワールに赴任され、医療活動を開始して以降、24年間に渡って、現地の人たちとともに、医療、灌漑、農業再生のための活動を展開してきました。文字通り、「命を懸けた」、血と汗と涙にいろどられた活動でした。
詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
 そして、伊藤和也さんも、5年前にペシャワール会に入られ、その一員として、アフガンの人たちの命を守るために泥まみれになって活動されてきました。

 中村さんたちの「変わらぬ大義」、それは、「弱いものを助け、命を尊重する」、その一点でした。
 「タリバンがどうのこうの」とか、「9・11」、「民主化」、「復興支援」などのたわ言などとは一切無縁。そこに、今、命のともしびが消えかかっている多くの人々が存在し、自分たちの努力でその命が救える、そこに自らの使命を定め、「無私」の精神で突き進む。
 中村さんの講演を聞いたり、著書を読んだりして思うのは、「人間の意志というのは、なんと気高く崇高なものなのか」ということです。

 自分の食い扶持を稼ぐためにつまらない仕事をこなし、その合間にこんな駄文を書いている自分という存在はいったいなんなのだ!同じ人間と呼ぶにはなんと情けないことか!

 そんな自己嫌悪に駆られてしまいます。

 

中村さんたちの「気高く崇高な意志」をどんなことがあってもつぶしてはならない

 いま思うことはそのことだけです。


 以前、聞いた中村哲さんの講演で、アフガンの人々が示す日本人への特別な親密さについて語っていました。
 大半のアフガン人は、日本のことを知っており、彼らが日本について連想することの一つは、ヒロシマ・ナガサキだそうです。被爆の悲劇と同時に、その後、あの廃墟から立ち直って繁栄していること、そして、「繁栄した国はたい てい戦争をするが、日本は半世紀にわたって他国に軍事干渉しなかった」という賞賛、「平和国家・日本」「戦争で儲けない国・日本」というイメージがあるんだそうです。
 しかし、いま、そのイメージは崩壊しつつあります。

 中村さんは、こう言われました。

「日本人であることが、最大の安全保障だった。しかし、昨今の『国際貢献』や「国際社会に伍して』という主張は、これらを自ら葬り去るものであった」

と。

 若者の命を奪った直接の要因はいろいろあるのだと思います。しかし、今回の「事件」の背景に、アフガン国内の混乱と治安の悪化があり、その根本に、アメリカを中心とする「多国籍軍」による報復戦争があることは明らかです。。
 伊藤さんが拉致される4日前には、アフガン西部のヘラート州で米軍主導の多国籍軍による空爆がおこなわれ、60人の子どもを含む、少なくとも90人の何の罪もないアフガンの人たちの命が奪われました。
 この2ヶ月間だけで、165人をこえる人たちが空爆で亡くなりました。

 そして、この戦争を日本は「支援」しています。
 福田首相は、9月からはじまる臨時国会の重要課題の一つに、アフガン空爆を支援する「新テロ特措法」の延長をあげています。

 こんなことで、アフガンの混乱が解決すると思っている大ばか者はいったい誰なのか!
 ひたすら混乱と紛争を拡大し、憎悪と悲しみを増幅させ、そして、中村さんたちの崇高な意思を踏みにじる以外の何ものでもありません。


 民主党の前原副代表のコメントが「朝日」に載っていました。

 「国際協力をより強化しなければいけない。(停戦合意を前提とした)わが党の考え方も当然変えなければならない」とのべ、想定される自衛隊の活動として航空輸送と民生支援の警護を挙げた。「民生支援を丸腰で出すことは、政治の決断としてやるべきではない」とも指摘した。

 なんと、トンチンカンなことか!

 ことここに至って、まだ自衛隊の派兵をいうのか!
 ペシャワール会の活動に自衛隊の警護をつけるというのか!
 それで、アフガンの人々の納得と理解が得られるとでも思っているのか!
 何と浅はかな!
 自分たちをいつ空爆するかもしれない米軍の手下である自衛隊に守られた「民生支援」など、これまで現地で築いてきたペシャワール会の信頼を根本から突き崩し、憎しみの対象とするだけでしかありません。

 それから、昨晩の「報道ステーション」の加藤千尋さんのコメントには呆れてものが言えませんでした。
 私の聞き間違いでなければ、加藤さんは、「アフガンのためにがんばっている日本人がいることを現地の人はあまり知らない。インド洋での給油活動も含めてもっと知らせていく必要がある」という趣旨のコメントをされたと思います。
 話は、まるで逆です。

 日本政府にできること。それは、ただちに自衛隊をインド洋から撤退させるとともに、世界に向かって多国籍軍がもたらした厄災を糾弾し、軍隊の引き上げを強く要求することです。
 それが、中村さんやペシャワール会の活動を助け、伊藤さんの遺志に報いる唯一の道、政治の責任だと確信します。


 伊藤さんの拉致という事態に直面し、1000人をこえる人々が捜索に加わり、彼の死に涙したという事実は重いものがあります。
 アフガンの「復興支援」「民主化」をすすめると唱えるブッシュ大統領や福田首相が亡くなった時、ただの一人のアフガン人も一顧だにしないであろうことが十分に想定できるということを、彼らはもっと真剣に考えるべきなのではないでしょうか。

 最後に、あらためて、伊藤さんのご冥福をお祈りします。





 

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2008年8月19日 (火)

国民の姿が見えない「景気対策」論議

 ポチです。
 お盆も過ぎて、朝晩は、すっかりすずしくなってきました。
 みなさんの地域ではいかがでしょうか?
 お盆の間は、仕事疲れを癒すために、15日を除いて、オリンピックを観ている以外はほとんど寝っぱなしでした。
 オリンピックも中盤ですが、いろんなことが起きますねえ。野口選手に続き、土佐選手も、劉翔も可哀想でした。実力を発揮できないままで競技を終わるというのは、本人にとってどれだけ悔しいものでしょうか。

 オリンピック中継を観ていて思うのは2つのこと。
 1つは、インタビューのひどさです。選手による特定の答えを強要するかのような「誘導尋問」的質問や「金を期待しています」「狙うは世界新ですね?」などといらんお世話の質問の多さには辟易しています。
 2つめは、「日の丸」「君が代」の鬱陶しさです。「君が代」の方は、金メダルをとらないと聞くことはないので、まだいいのですが、「日の丸」の方は、あっちでも「日の丸」、こっちでも「日の丸」が映し出されるので、鬱陶しさは相当なものです。
 中国のお年寄りの方など、きっと複雑な思いだろうなあと思ってしまいます。

 今晩は、サッカーのブラジル対アルゼンチンがおこなわれます。ロナウジーニョ対メッシです。NHKのBSで放送されるようです。楽しみです。





 さて、今日は、今朝の「朝日」の記事からです。少し長いのですが、引用します。

選挙へ 大型補正圧力 バラマキ復活 内容より規模先行

 総選挙をにらみ、「大型補正」を求める大合唱が与党内で広がっている。景気対策に取り組む姿勢を示すメッセージ先行型で、内容よりも「2兆円~3兆円」といった規模だけが独り歩き。旧態依然のバラマキ路線が復活し、財政規律路線は後景に退いた。
                             (鶴岡正寛、松村愛)

薄れる財政規律路線

 新体制になって初めて開かれた18日の自民党政務調査会の部会長会議。各部会長からは、一斉に予算の要望項目が挙げられた。「中小企業向け融資を」「学校の耐震化を進めるべきだ」「地球環境対策の太陽光発電は、経済対策にもなる」「離島の原油高騰対策もしっかりと」
 会議では、政府が今月末に総合経済対策をまとめる前に、党として具体案を政府に申し入れる方針を確認。財源にはふれないまま、要求だけが先走りしている。
 13日に与党幹部は景気対策を目的とした大型補正予算案を臨時国会に提出する考えで一致。これを機に発言がエスカレートし始めた。
 公明党は「1兆円以上」の補正を迫る。17日のテレビ番組では、自民党の選挙実務責任者である古賀誠選対委員長が「埋蔵金といっていいか分からないが、財務省は知恵を出せと言ったら出す。2兆、3兆という金額だったら知恵を出せる」と明言。同じ番組で、森元首相も「補正を組まなければならないのは当然だ。どうせやるならしっかりとしたものを出すべきだ」と唱和した。
 与党内では財源について「赤字国債の追加発行もやむを得ない」(自民党政調幹部
)という意見が広がっている。自民党の麻生太郎幹事長が政府の財政再建目標の時期先送りの可能性にも言及し、バラマキ路線を勢いづかせた。民主党の小沢代表は、政策財源は「政権をとれば出てくる」という考えの持ち主だ。ならば景気対策で大盤振る舞いして実績をアピールし、近づく総選挙を有利に運ぼうという計算も働く。
 しかし、与党は昨夏の参院選で、民主党が政権公約(マニフェスト)で示した政策を「財源の裏付けがない」と攻撃した。さっそく古賀発言を逆手に取って、民主党の輿石東参院議員会長が「総選挙想定のバラマキ以外の何物でもなく、景気浮揚の保証もない」と批判。別の中堅幹部も「『民主党の言っていることには財源論がない』ということが実はウソだったということが、これでくしくも証明された」と揶揄した。
 秋の臨時国会で景気対策を前面に押し出した大型補正予算を編成すれば、森政権以来8年ぶりのこと。構造改革路線の転換は鮮明になる。
 自民党の保利耕輔政調会長は18日の部会長会議で「バラマキと言われるようなことはしない。財政規律は守る。構造改革に資する案を出してほしい」と強調。福田首相は同日夜、補正予算の規模を記者団に問われ、「まず中身を考えなければならない。それに必要な財源を手当てする。財政の健全化は常に年頭に置かなければいけない」と遅まきながらクギをさした。
   (・・・中略・・・)
 大型補正の景気刺激効果を疑問視する意見も根強い。大和総研経済金融調査部の熊谷亮丸シニアエコノミストは「漁業者への燃料費補助などの対処療法的な対策では痛み止めの効果しかない」と分析。「福田首相はすでに外国人投資家からバラマキ型の政治家とみられている。規制緩和や税制改正など抜本的な対策で、構造改革が続いているというメッセージを出す必要がある」と指摘する。



 とってもヘンな記事です。
 何がヘンかと言うと、この記事からは、国民の苦しむ姿がまったく見えてこないし、その苦しみに応えようという発想がどこにも存在しないことです。
 国の主人公は国民です。その国民のよりよい暮らしを守ることが「政治」というものの第一の役割のはずです。「景気対策」も、だからこそ必要なはずです。しかし、記事のどこを見ても、国民の姿はありません。
 そして、貫かれているのは、「財政規律」なるものを守ることを「正義」として扱い、それに反するものを「バラマキ」として批判する態度です。

 記事は、はじめのところで、自民党政務調査会の部会長会議で出された声を4つ紹介し、この声を入口に「財政規律路線」から「バラマキ路線」への転換だと批判し揶揄するものになっています。
 ◆「中小企業向け融資を」
 ◆「学校の耐震化を進めるべきだ」
 ◆「地球環境対策の太陽光発電は、経済対策にもなる」
 ◆「離島の原油高騰対策もしっかりと」
 これらのどこが「バラマキ」なのでしょうか?
 どれも、今の国民の暮らしにとって切実な問題のうちのいくつかではないでしょうか(当然、この4つだけではありません)。
 もちろん、記事自身も批判的に書いているように、今のところ、自民党の言っている「景気対策」なるものの中身は何も示されておらず、「内容より規模優先」というのはおかしな話です。自民党の方々のことですから、これらの「景気対策」を使って利益誘導したり、利権を追求したりする下心は当然あるのでしょう。
 しかし、記事のように揶揄すべき対象として扱う声にはとても思えません。批判するのであれば、そうした自民党の体質をこそ批判すべきであって、これらの声の実現を正面から迫ることこそが「政治」にまともに向き合おうとする態度と言えるのではないでしょうか。

 そういう記事になっている根源には、「財政規律を守る」ことが何よりも優先されるという考えが根本にあることに他なりません。
 しかし、「財政規律を守る」という名目でいったい何がやられたでしょうか。社会保障費の自然増部分から毎年2200億円もの予算が削減されていきました。「医療費を削れ」という掛け声のもと、後期高齢者医療制度が導入されました。教育予算、中小企業のための予算もしかりです。
 こうして、「財政規律」の名のもとに、国民の暮らしは次々に切捨てられていったのです。そして、それらに予算配分を厚くすることは、「バラマキ」だと批判されてきました。
 しかし、一方では、「『財政規律』?そんなもんありましたっけ?」と言わんばかりに、財界大企業への支援、軍事費には際限ないお金がつぎ込まれてきました。

 これをすすめてきたのが、いわゆる「構造改革」の号令です。
 今、必要なのは、こうした政治の在りようを根本から変えることではないでしょうか。
 しかし、国民の姿の見えないこの記事は、そんなことは想像すらできないようです。最後の部分で、大和総研のエコノミストのコメントを肯定的に紹介しました。

 「漁業者への燃料費補助などの対処療法では痛み止めの効果しかない」

 もちろん、抜本対策が必要です。しかし、今すぐ切実に求められているのは「痛み止め」だということが、なぜわからないのでしょうか?
 しかも、抜本対策ということで言えば、原油高騰の原因である投機マネーに対する規制のはずです。にもかかわらず、「外国人投資家」の心配をしているコメントを堂々と載せる神経がわかりません。
 そして、抜本的対策とは、「規制緩和と税制改正」だそうです。
 規制緩和の推進とは、「強いものはさらに強く、弱いものはさらに弱く」する、言い換えれば、大企業の利益のために「格差と貧困」のさらなる拡大をめざすということです。また、「税制改正」とは、消費税増税のことに他なりません。

 こんなコメントをまともに取り上げるなど正気の沙汰とは思えません。


 今、「景気対策」で一番大切なのは、国民の暮らしを豊かにすることです。
 そのことは、先日の記事に書いたとおりです。
 記事の冒頭に紹介された自民党の方々の声も、ある意味、国民世論に押された結果に他なりません。国民の声は政治を動かす力です。今回紹介したような耐え難い記事に惑わされることなく、「国民本位の景気対策を」の声を大きくあげていくことが大切なのではないでしょうか。



 では、また。

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2008年8月15日 (金)

63回目の8月15日――SHOGO's Words No.26「RISING SUN(風の勲章)」

 ポチです。
 昨日は、湧き水を汲むために、大きなポリタンクを3つ積んで秋芳町に行きました。このあたりでは一番の水だと評判です。口コミで広がったのか、国道から車の離合もできない山道をかなり入ったところにある水汲み場なのですが、いつも3~4人の方がおられます。県外から来られる方もおられるようです。
 宇部市は灼熱の真夏だったのに、秋芳町内に入るとみるみる空は真っ暗に。そして、土砂降りの雨。前も見えないほどです。スピード狂の私も思わずアクセルを緩めてしまうほどです。
 秋芳町の北の端に近い水汲み場のあたりでは小降りになっていましたが、水を汲んで帰り出すとまた土砂降り。そして、秋芳町から宇部市に入る頃には、路面はまったく濡れておらず、また灼熱地獄に。
 ああ、これが最近各地でおこっている「局地的豪雨」ってヤツかと、そのすさまじさに驚いてしまいました。


 さて、今日は63回目の終戦記念日です。
 天皇制政府と軍部がすすめた領土拡張と他国支配のための侵略戦争は、2000万人ものアジアの人々の命を奪い、300万人をこえる日本国民の犠牲者を生みました。
 中学生だった私の叔父は、1945年8月6日、学徒動員で作業をしていた広島市で原爆の被害者となりました。
 日本軍国主義の侵略戦争と植民地支配によるすべての犠牲者の方々に心からのご冥福をお祈りします。

 去年の終戦記念日は、郷土の汚点である安倍晋三が首相でした。
 彼は、「戦後レジームからの脱却」と叫びました。彼の言う「戦後レジーム」とは、憲法で明記された国の基本――主権在民、恒久平和主義、基本的人権――に他なりません。それからの「脱却」とは、「二度と戦争をくりかえさない」という日本が世界に向けた公約を破棄するという宣言でした。
 事実、彼は、侵略戦争を「アジア解放の正義の戦争だった」と言い募り、海外派兵を「ためらわない」と豪語しました。
 その安倍首相も、昨年の参院選で国民から「ノー」の審判を突きつけられ、惨めな辞任劇を演ずる他ありませんでした。
 しかし、日本を、アメリカ言いなりに、海外で戦争をする国にしようとするたくらみが、それで終わったわけではありません。

 今日、8月15日が、日本国民が、日本がおこなった侵略戦争の実態を直視し、「二度と過ちは繰り返さない」という誓いの気持ちを新たにする日になることを心から希望します。


 浜田省吾の歌をどうぞ。
 1988年にリリースされた14枚目のアルバム「FATHER'S SON」に収められた曲です。

 浜田省吾、「RISING SUN(風の勲章)」です。


RISING SUN(風の勲章) 浜田省吾 歌詞情報 - goo 音楽

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 今日は、早朝から、自分自身はやったこともないゴルフの受付業務に狩り出されることになっています。まもなく迎えがやってきます。
 夜は、同窓会による飲み会。

 それでは、また。
 ポチでした。

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2008年8月13日 (水)

国民が死に絶えても自分の過ちに気づかない人たち

 ポチです。
 オリンピックも宴たけなわ。
 怪我や不調を乗り越えて金メダルを取る人がいると思うと、直前になって怪我のために出場できない人もいて、運不運というか、努力だけではなんともならない現実の非情さを感じてしまいます。


 さて、昼間は相変わらず暑いのですが、朝晩はなぜか涼しい日がこの2~3日続いています。お盆前だというのに、いったいこの涼しさはどうなっているんでしょうか。例年の夏でいえば、まだまだ「熱帯夜」でうなされているのが普通なのに。
 とにかく、最近の天候はヘンです。



 で、もっとヘンで、「ナニコレ?」と思わず声をあげてしまったのは、この記事です。

証券優遇税制の拡充を=配当300万円まで非課税-麻生自民幹事長
                           2008年8月9日(土)18:30

Photo_2  自民党の麻生太郎幹事長は9日午後、札幌市などで講演し、景気対策として証券優遇税制を拡充すべきだとの考えを表明した。麻生氏は「株は上がる。政府が1円も出さないでできる(対策だ)」と指摘、具体的には年300万円以下の株式配当を非課税にすべきだとの案を示した。
 昨年末の与党税制改正大綱では、景気回復の動きを受け、株式配当と譲渡益への軽減税率を今年末で終了する方針を決めたが、麻生氏は「景気は総じて悪くなっている」との認識を示した上で、証券優遇税制拡充の必要性を強調した。
 また麻生氏は、住宅取得促進のため不動産取得税の減税や、時限立法による設備投資減税についても検討すべきだと表明。これらの対策について「首相になったらやりたいと思っていたが、そんなことを言っている場合じゃない。今やらなきゃならない話だ」と語った。 
                                                                 [時事通信社]


 テレビで、このことをしゃべってるニュースを見ました。自分が日本経済の救世主であるかのように、なんとも得意げにしゃべるその姿は、話す内容のトンチンカンさを際立たせ、アホさ加減丸出し。怒りを通り越して、哀れさえ感じました。
 いまの日本経済の何が問題なのか、この人はまったくわかっておられないようです。こんな人の「思いつき」で日本の経済政策が決まるのだと思うと暗澹たる気分になってしまいます。

 政府は景気判断でつい最近まで「いざなぎ景気越え」などと言って、国民の生活実感とはまったくかけ離れた「戦後最長の経済成長」を誇り、「好景気」を吹聴していました。それが、最近になって、景気後退を認めざるを得ない事態に立ち至っています。
 そもそも、この「好景気」の正体は何で、それがなぜ後退を始めたのでしょうか。それがわかっていないと適切な景気対策がうてないことは当然のことです。


 最初に、「好景気」の正体です。
 それは史上空前とも言われたアメリカの好景気に乗っかった一部の輸出大企業のボロ儲けというに過ぎませんでした。そして、そのボロ儲けの陰には、「大企業がぼろ儲けすることこそ日本経済発展の道」という確固とした信念にもとづく、至れり尽くせりの国による支援策がありました。
 法人税減税をはじめ、ありとあわゆる減税策が大企業には施されました。労働法制の改悪をすすめたことは、正規雇用を非正規雇用に置き換えることを可能にし、労働コストを大幅に削減する力になりました。
 そして、大企業はわが世の春を謳歌していたのです。しかし、それは、国民経済の実態からは大きくかけ離れた見せかけの「好景気」にしかすぎませんでした。

 その「好景気」が破たんした最大の要因は、アメリカの景気の後退です。例のサブプライムローン問題以降、アメリカ経済は一気に失速し、史上最大の危機だと言われるようになりました。

 外需頼みが崩れたからといって、「では」とばかりに内需中心の経済に転換できるかというと、そうはいきません。大企業を儲けさせるための至れり尽くせりの国の施策は、日本の実体経済の担い手である中小企業の営業と国民の家計を破壊し尽くしまったからです。
 中小企業の倒産件数は毎月増え続けています。非正規雇用労働者の爆発的増大は、年収200万円以下の労働者が全体の3分の1を占めるまでに至りました。大企業への大盤振る舞いの減税によって生まれた国の予算の不足分を補うために、庶民増税や社会保障費の負担が相次ぎました。そして、賃下げやリストラ・・・・。
 こうして、輸出頼み、アメリカ頼みの日本経済の「好景気」もガタガタと崩れていっているのです。

 根本的な誤りは、中小企業や国民の家計の犠牲の上に、「大企業にいかに利益をあげさせるのか」という「構造改革」路線そのものにありました。
 今、日本経済を立て直すために求められているのは、この路線を抜本的に転換することです。中小企業の営業や国民の家計をいかにしてあたため、実体経済を発展させるのかということではないでしょうか。


 ところが、この麻生さんの発想!

 実体経済の崩壊はそのままに、大企業・お金持ち優遇で金融バブル経済にしか手をつけない発想では、ますます日本経済を深刻な事態に追い込むだけです。

 しかも「1円もいらない」とはよく言ったものです。
 素人の私でもわかりますが、減税すれば国の収入が減るのですよ。たしかに支出は増えませんが収入が減る。同じことなんじゃないの、それって。その穴埋めはどうするんですか?例によって「消費税増税」ですか?

 麻生さんの言う「証券優遇税制」のなかには、株式譲渡益にかかる税金も当然入っていますから、このことについて指摘しておきましょう。
 ニュース記事にもあるとおり、上場株式の譲渡益の税率は、本来20%のところを特例として10%に軽減されています。
 その結果、どうなっているのか見てみましょう。

 05年に、株式等譲渡益の申告をした人の数は、わずかに31万5000人にすぎません。しかし、その譲渡益の総額は2兆6000億円。特例の優遇税制で消えた国の税収減は2600億円。そして、麻生さんはさらに2600億円まけてやろうというわけです。

 社会保障費の自然増を毎年削減する額が2200億円。政府は、「財政が厳しいから仕方がない」と言います。その陰で、こんな一部のお金持ちを優遇する減税をする必要があるのでしょうか?

 今、原油や穀物の高騰が大きな社会問題になり、国民の暮らしを直撃しています。この最大の要因もまた、バブル経済、ギャンブル資本主義の典型である投機マネーの暴走です。
 いま、これを規制することこそが求められているにもかかわらず、それをさらに加速させるかのような麻生さんの発想は、今の経済危機をいっそう深刻なものにするだけで、日本経済にとっては最悪の道をすすむものといわざるを得ません。

 麻生さんの表明を受けて、茂木金融担当大臣が、これに同調するコメントを出しています。
 ノータリンなのが、麻生さん個人の問題なのなら、麻生さんに辞めていただければすむ話です。しかし、自民党まるごとが「大企業がボロ儲けすること=日本経済の発展」という発想しかできないというのが現状です。国民が死に絶えても、まだ彼らは自分たちの過ちに気づかないことでしょう。

 早く自民党、公明党の政治を終わらせること。日本経済を救う道はここにしかないことをあらためて教えてくれた麻生さんでした。

 では、また。
 ポチでした。





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2008年8月 9日 (土)

結婚記念日にカミさんに捧げる歌――SHOGO's Words No.25「星の指輪」

 ポチです。
 うだるような暑い日が続いています。
 みなさん、お元気でしょうか?
 私は絶不調です。
 月曜日に親知らずを抜きました。抜いたあとが数日間うずき、左の頬の腫れはいまだにおさまっていません。で、痛み止めと化膿止めの薬を飲むのですが、これが強力な薬で、痛いので多めに飲むと、頭がボ~ッとして、まったく仕事になりません。そして、薬が切れるとシクシクうずいて、これまた仕事になりません。やるべき仕事は遅れに遅れて、痛みが薄れたあとはたまっていた仕事の山に追われ続けています。
 ということで、大変な1週間でした。
 当然、ブログに向かう気力はまったくありませんでした。
 6日には、広島の原爆忌なので、また「八月のうた」でも取り上げようかと思っていたのですが、それもならず、予想通りZUNDEREさんにやられてしまいました。あ~、マミー♪さんにもやられていました。
 また、いただいたコメントへのお返事やTBのお返しもできていません。申し訳ありませんでした。


 さて、今日は8月9日です。
 「今日は何の日でしょう?」と聞くまでもなく、長崎に原爆が落とされた日です。
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 6日の追悼集会での広島市長の平和宣言も、今日の長崎市長の平和宣言も非常に感動的なものでした。それに比べて福田首相のあいさつは、何ともつまらないものでした。

 でも、私にとっては、今日はもう一つ意味のある日で、私とカミさんの結婚記念日です。

 カミさんは、2歳年上です。私が学生時代のサークル活動の中で知り合った大病院の看護婦さんでした。私が大学を卒業して1年後に結婚しました。

 実は、カミさんは、5年前に乳がんを患いました。手術後、順調に過ごしていたのですが、2年前に再発。骨に転移し、現在も治療を続けています。今は、放射治療が中心ですが、けっしていい方向に向かっているとは言いがたい状況です。
 骨の癌はたいへん痛いものだと聞きますので、本当は辛いのではないかと思うのですが、本人が非常に強い人なので、日ごろは彼女が病人であることをつい忘れてしまうほどです。また、看護婦だから「人の死」をけっこう見慣れているからなのでしょうか、「おばあちゃん(私の母)より私の方が早く死ぬだろうから」などと平気で言うので、こっちとしては何と答えていいものやらドギマギしてしまいます。

 2年前の浜田さんのツアー「ON THE ROAD 2006」の山口県周南市のコンサートには彼女といっしょに参加しました。コンサートの直前に放射線治療が始まり、彼女が行けるのかどうか不安でしたが、副作用もどこ吹く風で元気に参加してくれました。

 そのコンサートでも歌ってくれたこの歌を、カミさんに捧げます。
 1993年にリリースされた18枚目のアルバム「その永遠の一秒に~The moment of the moment~」に収録された曲です。


 それではどうぞ。浜田省吾、「星の指輪」です。



星の指輪 ~STAR RING~ 浜田省吾 歌詞情報 - goo 音楽

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