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2008年7月 4日 (金)

美しい棚田の景色と日本農業

 ポチです。
 どうやら、週明けには、こちらの方は梅雨明けするそうです。昨年より10日以上早い梅雨明けだということです。
 さあ、猛暑がはじまるのでしょうか。


 5月末に、周南市北部の中須というところに仕事で行きました。
 周南市の市街地(JRの駅で言えば徳山駅です)から約15キロ北上したあたり、中国山地のとば口といった地域です。

Photo

 

〔+〕の印のところが中須です。
 ここに、「棚田清流の会」という会があります。
 この地域は、中山間地域ですから、古くから稲作は棚田が中心でした。
 しかし、過疎と高齢化がすすみ、あちらこちらで耕作放棄する田が広がり、美しいすり鉢状を誇っていた棚田も荒廃の一途をたどっていったそうです。
 そうしたなかで、関係住民の方が集まり、「ここに住んでよかった」と思える地域づくりをしていこうと、つくられたのが、この「棚田清流の会」です。
 関係する5つの集落の約100戸の全員が会員です。暮らしや農地、棚田の美しい景観を守るためにがんばっておられます。

 こんな看板が掲げられています。

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 それでは、田植えがすんだばかりの美しい棚田の風景をどうぞ。

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 日本の農業は、アメリカからの農産物輸入と大企業の工業製品輸出の犠牲として、無残にも破壊されていきました。際限のない食料輸入自由化、海外に食料を依存する体質づくりです。食料自給率は39%に、穀物自給率は27%にまで落ち込みました。
 いま、世界が食糧不足に瀕しています。30ヶ国が食料危機に陥っているそうです。
 そうしたなかで、多くの国が自国民の食料を守るために輸出規制を強めています。「週刊エコノミスト」が「日本が飢え死にする日」という特集を組みました。
 
 アメリカのブッシュ大統領は、アメリカの農民を前に、次のように演説したそうです。

「食糧を自給できない国を想像できるか。そんな国は、国政的な圧力と危険にさらされている国だ。食糧自給は国家安全保障の問題であり、アメリカ国民の健康を守るために輸入食品に頼らなくてよいのは、何とありがたいことか」

 たしかに、あなたの言うことは正しい。
 しかし、あんたがそれを言うか?
 アメリカの穀物メジャーの利益のために、農産物輸入の対日要求を強めてきたのは、アメリカ政府です。
 まあ、問題は、あなたの国の政府の要求に唯々諾々と従ってきた日本政府が一番悪いんですがね。




 中須に行ってみて、棚田を守るために、本当に大きな努力がついやされていることが実感されます。
 平地の田で耕作する方が合理的であることは間違いありません。しかし、日本のほとんどの地域は「中山間地」です。どこでも高齢化と過疎がすすみ、農地が原野に帰っていく場所も少なくありません。
 そして、「限界集落」という嫌な言葉。
 けっして、合理的であることだけが美徳だというわけではありません。逆に、合理的でないがゆえに、美しさが守られるということもあるのではないでしょうか。

 いま、この地でおこなわれている努力が、日本の農業を救う力になるかもしれません。政府も、地方自治体も、そのことを目をそらさずに見てほしいと思います。


 行った日は、小雨の降るあいにくの天気でした。
 小雨に濡れながら、この棚田の美しい景色を眺めていると、情け容赦なく襲い掛かる仕事のことをちょっとだけ忘れて、なんとなく清清しい気分になりました。


 では、また。





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コメント

こんにちは
ホントに美しいですねえ。
じっと見ていると、この美しい農業をバッサバッサト切り捨ててきた農政と、振り回されてきた農業者の悲しさのようなものに胸が痛みます。
専業農家の義兄は
「もうダメだね、おれらあ、まあ、良いときだったよ」
と、いっていますが、これからどうなるのでしょうねえ。
美しい写真をありがとうございました。

投稿: jun | 2008年7月12日 (土) 11時37分

junさん
コメントありがとうございます。

>バッサバッサト切り捨ててきた農政と、振り回されてきた農業者の悲しさのようなものに胸が痛みます

 棚田を見ながら、私が一番感じたのもその点でした。日本の政治の情けなさには言葉もありません。今ならまだ間に合うと思います。農政を抜本的に転換すべきだと思います。でも、しないでしょうねえ、自公の政府は。きっと、最後の農業者が死に絶えるまで、日本に飢餓の危機が押し寄せるまで放置しっぱなしでしょうよ。そうなる前に政治を変えましょう。

投稿: pochi | 2008年7月13日 (日) 08時17分

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