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2008年1月14日 (月)

世界中から物笑いの種になる前に

 ポチです。
 1月とは思えない暖かい日が続いていましたが、昨晩あたりからさすがに冬らしくなってきました。


 PCの引越しをおこなっていまして、更新になかなか手がつきませんでした。データーを全部移し、アプリケーションを入れ直すという作業はなかなか面倒なものです。
 それだけならいいのですが、カミさんに渡す約束をしていた古い方のPCが突如として言うことを聞かなくなり、どうやってもダメなので、ついにOSから入れ直す羽目になりました。以前に比べたら随分と簡単にはなったのですが、遅くまでかかってなんとかやり終えました。
 新しい方のPCは、注文した新しいアプリケーション待ちで、まだ、完全に引越しが終わっていないのですが、とりあえず使っています。



 さて、私がPCの引越しをしている間に、世間ではいろんなことが起こっています。
 薬害肝炎救済法が成立したことは喜ばしいことです。ただ、原告のみなさんも言われていたように、これで終わりにしてはいけないと思います。投与証明ができていない方も含めた救済範囲の拡大に国と国会は責任を持ってあたるべきだと思います。

 同時に、とくに大きな問題は、新テロ特措法の再可決・成立でしょう。

 「民主党が問責決議案を出しそうもないから再可決をする」だとか
 「継続審議にした方が自民党を追い込める」とか
 印象としては、なんだか、この法案が本質から遠く離れたところで議論されていたような、そんな感じがします。

 「アフガンの状況をどうみるのか」
 「『国際貢献』というなら、今求められている『国際貢献』のあり方はいかにあるべきか」
 という議論こそ、この法案審議の前提として必要だったと思います。

 しかし、そんなこととは無関係に、あたかも、アメリカ軍による戦闘で『テロとのたたかい』が成果を収め、アフガンに平和が訪れつつあり、そして、多くのアフガン人が喜んでいるかのような、そんな前提でこの人たちは議論しているのだろうかと思うことがしばしばでした。
 また、「何が起こっているか、どういう影響があるかは問題ではない。アメリカが要請していることが『国際貢献』だ」とでも言っているような、論理的思考を完全に停止してしまったとしか思えない議論もあったと思います。

 街角でのインタビューをTVが流していましたが、少なくとも「再可決はよかった」という人の口から出る言葉からは、そんな議論の影響を大いに受けているなあという印象をもちました。

 この事実とあまりにもかけ離れた認識をなんと表現すればいいのでしょうか。


 福田さんは「成立してよかった」と言います。
 福田さんに問いたい。「何がよかったのですか?」と・・・。

 まさか、「アフガンの人たちにとってよかった」とは言いませんよね・・・。

 アメリカの要請に応えられたことがよかったのですか?
 それとも、自分の面子が保たれたことがよかったのですか?
 あるいは、せっかく海外に出して軍事行動をさせていた自衛隊を元に戻せることがよかったのですか?

 そうですか。
 それは、よろしゅうございましたね。
 その陰で何が起こっていくかご存知でしょうね。
 自衛隊の給油を受けた艦船から飛び立った戦闘機や爆撃機が罪もないアフガンの人々を引き続き殺し続けます。
 大旱魃で苦しむ人々の暮らしをさらに破壊し、子どもたちやお年寄りなどの命と健康を奪います。
 そして、ペシャワール会の中村哲医師など、現地で、アフガンの人々のために活動している日本人を窮地に追い込みます。

 去年、中村哲さんの講演を聴き、著書を読んで記事を書きました。
 これ↓です。

 http://pochicoro.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_6260.html

 そのなかで、中村さんの著書からの引用をしました。現地の状況を、アフガンの人々の命や暮らしを無視した米軍の報復戦争や日本の「国際貢献」なるものへの怒りと苛立ちです。
 もう一度、ここで引用しておきます。

 帰国してから、日本中が沸き返る「米国対タリバーン」という対決の構図が、ひどく作為的な気がした。淡々と日常の生を刻む人々の姿が忘れられなかった。昼夜を問わずテレビが未知の国「アフガニスタン」を騒々しく報道する。ブッシュ大統領が「強いアメリカ」を叫んで報復の雄叫びを上げ、米国人が喝采する。湧き出した評論家がアフガン情勢を語る。これが芝居でなければ、みな何かにとり憑かれているように思えた。私たちの文明は大地から足が浮いてしまったのだ。
 全ては砂漠の彼方にゆらめく蜃気楼の如く、真実とは遠い出来事である。それが無性に悲しかった。アフガニスタン! 茶褐色の動かぬ大地、労苦を共に水を得て喜び合った村人、井戸掘りを手伝うタリバーン兵士たちの人懐っこい顔、憂いをたたえて逝った仏像--尽きぬ回顧の中で確かなのは、漠漠たる水なし地獄にもかかわらず、アフガニスタンが私に動かぬ「人間」を見せてくれたことである。「自由と民主主義」は今、テロ報復で大規模な殺戮を展開しようとしている。おそらく累々たる罪なき人々の屍の山を見たとき、夢見の悪い後悔と痛みを覚えるのは、報復者その人であろう。瀕死の小国に世界中の超大国が束になり、果たして何を守ろうとするのか、素朴な疑問である。
                            (2001年9月22日)



 憲法9条をもつ国として、日本がどういう振る舞いをすべきなのか、いま国中で考えるべきときだと思います。世界中の物笑いの種になる前に・・・・。
 思考停止のように、ただただ「アメリカが世界の中心だ」「アメリカに付き従うことが正義だ」という国であっていいのかどうかを。


 中村哲さんの顔を思い出し、つらく悲しく思いで再可決のニュースを聞いたポチでした。





 

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コメント

お引っ越しお疲れさまでした。
憲法9条が、遠くなりそうで不安です。
失ったら、再び手に入れることが出ないものなのに。

投稿: jun | 2008年1月14日 (月) 15時33分

junさん
コメントありがとうございます。
junさんこそ、お引越しご苦労様でした。

憲法9条を遠いかなたに追いやろうとしている人たちと、そうはさせじとがんばっている人たちのせめぎ合いの只中ですね。
安倍さんを追いやった国民の世論の力を信じて、私たち一人一人が声を上げていくことでしょうね。こんなちっぽけなブログの中でも・・・。

投稿: pochi | 2008年1月14日 (月) 16時44分

ポチさんの発信に感謝していますよ。
岩国の問題は特にいろいろ教えていただきました。
これからもよろしくお願いしますね。

「9条の会うべ」のホームページが開設されました。

投稿歓迎だそうです。
情報が行き交うサイトにしたいですね。

ブログのURL
http://green.ap.teacup.com/ube9/

投稿: だじゃらん | 2008年1月15日 (火) 06時54分

pochiさん
ごめんなさい、ふたつもトラックバック送ってしまって。お手数かけますが削除してください。

あっ、今年もよろしくお願いします(^^v

投稿: なごなぐ | 2008年1月15日 (火) 20時10分

>だじゃらんさん
コメントありがとうございます。返事が遅れて申し訳ありません。
9条の会うべのHP、さっそく拝見させていただきました。これからの会の活動が楽しみですね。


>なごなぐさん
いえいえ、2つくらいあったほうが見栄えがいいので、そのままにしておきます。
今年もよろしくお願いします。

投稿: pochi | 2008年1月20日 (日) 11時40分

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