「ともにこの試練に立ち向かおう」井原市長の訴え
ポチです。
お正月はいかがお過ごしだってでしょうか?
私は、食って、飲んで、駅伝という三が日でした。
今年も、箱根駅伝は、様々なドラマがありました。思わず、目頭を押さえてしまうことも度々でした。これを観ないと正月という気になれません。
さて、今日、井原勝介岩国市長が記者会見をしました。
その記者会見で発表した文書を岩国の友人が送ってくれました。なかなかの文章です。かなり長くなりますが、全文を紹介します。
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「市民に訴える」
-争点は、米軍再編にあらず-
平成20年1月4日
井原勝介
1、争点は米軍再編にあらず、岩国の民主主義と自治を守る戦い
今、岩国は、多くの困難に直面しており、将来を決める重要な岐路に立たされています。こうした時にこそ、主権者たる市民の利益を守る政治本来の役割を求められ、その真価が問われます。
しかるに、「来るものは来る」、「容認しなければ財政破綻する」、逆に「受け入れれば5千億円から1兆円もらえる」などと責任ある政治家が誤った情報を宣伝し、いたずらに不安をあおり、市民の意見を二分しようとする、国や一部の利益が優先される古い政治の体質が浮き彫りになっています。非常の時だからこそ「政治」のあり方が問われています。
私は、国の行政に携わる中で、政官業がもたれあい国民の利益が後回しにされる現実を目の当たりにし、政治を変えたい、市民の声が大切にされる真の「民主主義」を実現したいという一心で故郷岩国に帰って来ました。以来、あらゆる機会を通じて市民との対話に努め、常に民意を肌で感じながら、市民の平安な生活を実現するための政治を行ってきました。「常に市民とともにある」これが私の原点であり、一貫した理念です。
民意は変わったという声もありますが、基地周辺に住み長い間様々な負担に苦しんできた人々の想いは、他から測り知れないものがあり、お金や圧力などにより簡単に左右されるものではありません。我々が尊重すべき「民意」とは、まさにこうした人々の切実な声であり、そうした基本的な民意はあまり変わっていません。直接的影響の少ない地域の皆さんにも、岩国市民の共通の問題としてぜひ一緒に考えていただきたい。
2、米軍再編
私は、基地撤去を主張しているわけではなく、これからも基地の安定的運用に協力する姿勢に変わりはありません。しかし、今回の米軍再編に関する国の進め方はあまりにも一方的で、突然の補助金カットや容認を条件とする再編交付金などのアメとムチで市民の意思を抑えつける手法は、到底納得できません。
しかも、こうした措置があの前代未聞のスキャンダルの渦中にある守屋前防衛事務次官の強引な発想によるものであることが明らかになってきており、今回の米軍再編そのものの正当性にも疑問が生じてきています。もう一度原点に立ち返って考え直す必要があります。少なくとも、国策だからと「鵜呑み」にするのではなく、言うべきことはきちんと言い、あくまで市民の側に立って主体的に判断すべきです。
そこで、先般、国に対して5つの条件(試験飛行の実施、NLPの恒久的基地の明確化、海上自衛隊の残留等)を提示しました。私は、反対・撤回一辺倒で国との話し合いを拒否しているわけではありません。過去にも、国との接点を求めて、移駐機数の削減や厚木の訓練の分散とその一部の岩国引き受けなどの提案もしましたが、いずれも拒否されました。今回こそは、ぜひとも一歩前に出てきて欲しい、お互いの立場を尊重しながら誠意を持って話し合いを行えば、必ず納得できる解決策を見つけることができるし、そうなれば合意も可能です。
3、財政その他の課題
財政が厳しいことは事実ですが、昨年策定した「財政健全化計画」に基づき、7年間で、約300人の職員数の削減等の経費削減を行い、1000億円余りの借金を約150億円削減することを目指すなど、必ず建て直します。
12月議会で補正予算案が成立し庁舎建設の財源として一定の合併特例債が確保されましたが、国に対しては、あくまで合意に基づき予定通り35億円程度の補助金を交付するよう求めていきます。別問題とされてきた民間空港は、いつの間にか米軍再編と完全にリンクし、その方向性が出るまで動けない状況にあります。愛宕山については、旧国病の移転も本決まりとなり、その他の地域の活用策についても、県と協力しながら岩国の将来にとって望ましい方向性を探っていきます。こうした各種の課題は米軍再編と混同することなく、それぞれ着実に解決していきます。
4、周辺地域への対策
高齢化や過疎化に悩む周辺地域に住む人々の想いも、もちろん私にとっては大切な「民意」であり、全市民共通の課題として考えていきます。少しでも問題を解決し豊かな自然と文化に恵まれた周辺地域の魅力を活かすことなくして、岩国市のまちづくりは語れません。情報の格差をなくし高速インターネット環境を整備するため4年計画でケーブルテレビ網の全域への拡充、地域のバス交通システムの見直し、防災無線等の整備を計画的に行います。さらに、団塊の世代の大量退職を間近に控えて、農林業の後継者を確保するとともに人口減少を少しでも防止するため「UJIターン」対策を積極的に進めます。
5、この身を挺して
岩国は大きく動き始めています。基地に過度に依存することなく、苦しくとも自立し、自らの知恵と勇気でまちの未来を切り拓く、市民がまさに主権者としての意識に目覚め、自ら考え、行動するようになりました。
これは時代の大きな流れであり、もはや何人も止めることはできません。古いものが様々なあつれきとなって立ちふさがってきていますが、それを乗り越えたところに、何よりも市民の心が大切にされる品格と誇りのある岩国があり、世界文化遺産への登録を目指している錦帯橋に象徴される歴史と文化、自然豊かなまちがあります。
今は、市民が分裂し、相争うときではありません。真に岩国の行末を想うなら、心を一つにするときです。
私は、あくまで市民を信じて、ともに築いてきた岩国の民主主義と自治を守るため、この身を挺して戦う覚悟です。これは市民の皆さん自身に与えられた試練でもあります。未来のために勇気を持ってともに立ち向かいましょう。
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いかがだったでしょうか? 容認派が担ぐ福田良彦衆院議員(左の写真=福田さんのHPからお借りしました)は、明日、記者会見をして、正式に市長選挙への立候補を表明されるそうです。
この福田さんという人、99年4月の岩国市議選で市会議員になり、03年4月の県議選に立候補して当選。その任期途中の05年の総選挙で衆院議員になった方です。
岩国の友人に話を聞くと、福田さんの評価はボロボロです。市議時代は、「岩国の市議の中で一番頭が悪い」というもっぱらの評判だったそうです。そして、県議選に出るときも、「この人何を考えてるんだろうか。間違いなく落選する」と、ほとんど「泡沫」扱いだったそうです。
ところが、公明党が、勇退する現職県議の替わりを擁立せず、急遽、この福田さんを全面的に支援します。その支援の仕方たるや物凄かったそうです。当時のうわさでは、共産党の現職県議の落選を狙ったのでは、と言われていたそうです(実際に共産党県議は落選しました)。それで、あれよあれよという間に県議に当選したのです。
以上は、あくまでも友人の話で、私は直接には何も知りません。
それで、その友人に、「そんな頭の悪い人を担いで、容認派は大丈夫なの?」と聞くと、その友人いわく、「普通の人だったら、衆院議員が市長選にはでないでしょ。使いやすいってことだけなんじゃないの」ということでした。
そして、その友人は、「県議選は『創価学会』の力、衆院選は『小泉と郵政民営化』の力、そして今度の選挙戦は『金』の力でやってくるだろう。『35億円の補助金出さなくてすんだから全部福田に注ぎ込め』てなもんだよ」とのこと。
候補者が無能であろうが、市民が何を願っていようが、お金をばら撒いて自分たちの思うように市政を動かす。井原さんの「訴え」の言葉で言えば、「立ちふさがる古いあつれき」の典型のようなものです。
しかし、そんなものは、市民の願いと行動の前に潰え去るべきものです。井原さんの言うとおり、「もはや何人も止めることはできない」大きな流れで押し流していきましょう。
さあ、決戦のときです。岩国の知り合いの名簿を作成中のポチでした。
では、また。
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コメント
今日はいろいろと岩国のニュースが流れていましたね。
実は・・・
この福田さん(福田君)ですが、高校のときの同級生です。
市議選、県議選、衆院選と、何も考えず「同級生として頑張って欲しい。」という思いで一票を投じてきましたが、今回はそうはいきません。
福田君本人は心の奥では「果たしてこれでいいのか」などと悩むこともあるのでは?などと思いましたが、出会った時にはそんな話もできず挨拶だけで過ごしてきました。
みんなに踊らされているようで可哀想になり、手紙でも書こうかと思い始めた矢先に、福田君がリコール運動の決起大会でコブシをあげている写真が新聞に出ました。もう後戻りできないんだね。。と思いました。
残念で悲しい気持ちがしました。
投稿: Hitoming♪ | 2008年1月 4日 (金) 20時58分
ポチさん
あけましておめでとうございます。
ローカルニュースのひどさは相変わらずですね。
問題の本質に触れない。
現職の国会議員が「国の決めたことなんだから何言っても
無駄だよ」ばりで言いたいことを言ってるのをただ流す
こんなニュースなら要りません。
私も何ができるか?考えてみます。
明日は広島へちょっと勉強に行ってきます。
岩国の問題については山口県内より広島県境のあたりの方が
親身なような気がします。
やはり地理的なものでしょうか?
井原さんの言う「争点は米軍再編ではない。自治と民主主義を守ること」というのは誰にも関係のあることですね。
この時代にいきあわせた私たちの責任は果たしたいと思います。
投稿: だじゃらん | 2008年1月 4日 (金) 22時32分
Hitoming♪さん
コメントありがとうございます。
なるほど、福田さんという方は、個人としてはいい人なのかもしれませんね。いい人だからいいように使われているのかも・・・。
一歩踏み出した足の位置が少しだけずれていただけなのに、時間の経過につれて、どんどん遠いところに行ってしまう。そんなものなのかもしれませんね。
お気持ちお察し申し上げます。
投稿: pochi | 2008年1月 5日 (土) 06時45分
だじゃらんさん
コメントありがとうございます。
>この時代にいきあわせた私たちの責任は果たしたいと思います
まったく同感です。
ただ、仕事の山を目の前に、どうやってその責任を果たしていけるのか悩んでいます。岩国での仕事が入ればいいのだけど・・・。無理やり岩国への出張でもつくるかなあ・・・。
投稿: pochi | 2008年1月 5日 (土) 06時52分
新年早々のTB有難うございます。こちらの大阪府知事選でもそうなのですが、政治も候補者も、それを取り上げるニュースも、よくこれだけ質が落ちたものだと、今更ながら痛感しています。それも「ただ単に、物事の上っ面を、面白可笑しくなぞっているだけ」に止まらず、「人間の醜さや弱い者虐めを、ことさら居直り正当化して、これでもかというぐらい見せつけて、諦めの心境に追いやってやろう」という為政者の魂胆がひしひしと感じられます。石原慎太郎や橋下徹などの人物像を見れば、もうそれが一目瞭然じゃないですか。
岩国の件は、拙ブログでも旧掲示板時代から何度か言及して来ましたが、今回の出直し市長選挙のニュースも近日中に再度記事にする予定でいます。今年も共に頑張りましょう。
投稿: プレカリアート | 2008年1月 5日 (土) 09時43分
あけましておめでとうございます。
TBありがとうございました。
改めて記事中にリンクさせていただきました。
今年もどうぞよろしく!
投稿: abi.abi | 2008年1月 5日 (土) 23時42分
ブレカリアートさん
コメントありがとうございます。
>政治も候補者も、それを取り上げるニュースも、よくこれだけ質が落ちたものだ
まったく同感です。
国が米軍の都合のために自治体との約束を一方的に破り、補助金をエサに民意をゆがめようとするなど、いくら自民党政治が酷いとはいえ、少し前までは考えられなかったと思います。この「何でもあり」の政治の実態をどう表現すればいいのでしょうか。
岩国で今起こっている問題は岩国だけの問題ではありません。井原さんの言うとおり、「民主主義と地方自治」のあり方が問われる問題です。今度の市長選挙では、「道理のないことは通らない」という結論をきちんと突きつける結果を出すことが求められていると思います。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: pochi | 2008年1月 6日 (日) 08時03分
abi.abiさん
コメントと紹介ありがとうございます。
そして、あけましておめでとうございます。
そうですか。
選挙のやり方にもいろいろあるのですね。
日本式しか知らず、「これが選挙だ」なんて思っていましたが、おおいに反省しました。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: pochi | 2008年1月 6日 (日) 08時10分
pochiさん
明けましておめでとうございます。
どうか今年もよろしくお願いします。
浜田省吾さんの曲、聴かせてもらいました^^。
山口から夜明けが始まるように応援しています。
投稿: jun | 2008年1月 6日 (日) 11時00分
junさん
コメントありがとうございます。
そして、明けましておめでとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
どうでしたか、浜田さんの歌は?
「ラストダンス」はライブ音源でしたが、彼のコンサートは本当にあったかい雰囲気で、参加したみんなを励ましてくれるんです。
次のツアーが待ち遠しいです。
とにかく、井原さんを落としたら、ただたんに岩国の問題だけでなく、民主主義と地方自治が大変なことになってしまいます。こんな理不尽なことは絶対に許さないという岩国市民と山口県民の答えを県や国に突きつけねばと思います。
投稿: pochi | 2008年1月 6日 (日) 19時24分
ポチ様
あけましておめでとうございます。
始めてコメンさせて頂きます。
幣ブログの記事に、井原さんの声明文を転載させて頂きました。
事後連絡になったことをお赦し下さい。
一人でも多くの方に伝えたいと思いましたので。
投稿: Francisco | 2008年1月10日 (木) 05時53分