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2007年5月12日 (土)

裏切られた思い――義家弘介氏のこと

 ポチです。
 風邪を引いてしまって、寝込んでいました。
 どうも、仕事疲れが抜けないのか、最近、体調がよくありません。
 この何日か、更新しようと、書きかけてはみるのですが、薬のせいか、眠くなったりして途中で挫折してしまっていました。今日は、少し調子もいいので、がんばって更新してみようと思っています。

 昨日、参院憲法調査特別委員会で、「改憲手続法案」が強行可決されました。国会審議の内容も、国民の声も無視したとんでもないやり方です。
 これについては、明日書きます。




 さて、本題です。
 かつて「なかなかのものだな。この人は」って思い、半ばあこがれのようなものを抱いていた人が、実は、「なんだ、そんな人だったのか」と幻滅してしまうことは、裏切られたようで、結構悔しいものです。

 10日付の「朝日」の記事。

「携帯持つ前に道徳教育を/「ヤンキー先生」国会で持論強調/99年「教育の形 崩壊した年」。

 9日に、教育再生会議の義家弘介氏が国会内で講演した中身の紹介記事です。次のように書かれてありました。

 義家氏は携帯が普及し、ネットへの接続サービスが始まった1999年を「日本が連綿と守ってきた教育の形が崩壊した年」と指摘。「大人が情報を分別して有害なものを子どもから遮断できた時代から、子どもが直接、携帯から『出会い系』『自殺幇助』などの有害サイトに触れられる時代になった」と説明した。
 そのうえで義家氏は「子どもが携帯を手にする前、0歳から10歳くらいまでに、道徳心をたたき込まなくてはならない。それ以後は、どんな道徳の教えも意味をなさない」と断言。幼児~小学校低学年での同等教育の重要性を強調するとともに、道徳の「教科化」の必要性も訴えた。





Photo_14   義家氏の本は2冊読みました。
 子どもたちに真剣に立ち向かう姿に強く惹かれました。そして、こんな高校もあるんだと感動しました。
 子どもたちを「自分の夢」だと言いきれる教師のいる高校にあこがれました。

(写真は「義家弘介Official Web Site」からお借りしました)

 ちょうどその頃、高校1年だった長男クンが冬休み明けの試験でカンニングをしたのが発覚しました。

 そのちょっと前、彼は、部活の部室でタバコを吸っているところを見つかり停学処分をうけていました。
 停学明けの時、カミさんは学校に呼び出され、「今度、問題を起こしたら、退学も覚悟してもらいます」と言われたそうです。

 それで、カンニングしたことが見つかったと聞いたとき、これは退学かなと思いました。

 その夜、先生が自宅に来るとのことで、「お前、退学になるかもしれんが、どうするんだ」と聞いても、「ウ~ン」と言うばかりです。

 そこで、思いついたのが北星余市高校のことでした。
 その高校がどうも気に入らなかったこともあって、「お前、こんなつまらん高校辞めて、北星余市に行くか?」と言うと、「行く」との返事。「ヨ~シッ」と腹を固めました。
 来られた先生に、話を聞く前にのっけから「高校やめますから」と言ったときのビックリされた顔に、痛快な思いをしました。

 仕事を休み、転入試験を受けに長男クンといっしょに余市に向かいました。
 仕事以外で北海道に行くことなんて初めてでした。
 彼が試験を受けている間に、まだ雪の残るグラウンドを歩きました。ワクワクした気分でした。
 転入試験をうける子どもたちの数は半端じゃありませんでした。「ヤンキー先生」が有名になったことから、すごく多くなったそうです。それで、少し不安だったのですが、まさか、転入試験に落ちることなど考えてもいませんでした。

 結果は「不合格」。
 目の前が真っ暗になりました。もうほとんどの学校の転入試験は終わっています。
 本を買ったり、ネットで調べたりして、途中からでも入れる高校を探しました。
 結局、愛知県のある高校に入ることができました。

 ドタバタしましたが、結果として、この高校を知ることができてたいへんよかったと思っています。長男クンもたぶん満足していると思います。

 この高校のことは、また機会があれば書くことにします。




 で、話をもとに戻すと。
 つまり、そこまで、北星余市と義家氏への思い入れがあったということです。
 「?」と思い始めたのは、彼が北星余市をやめて、横浜の教育委員になったという話を聞いたときからです。
 でも、そのときは、ホントに小さな「?」でした。

 その後は・・・・・。

 彼のサイトを見てみると、相変わらず「熱い」思いが書き綴られています。しかし、・・・。

 今の「教育の形が崩壊している」と彼は言います。たしかに、崩壊している面はあるでしょう。しかし、崩壊させたのは本当に携帯電話でしょうか。
 もちろん、彼の言うことを全面否定するつもりはありません。有害サイトが子どもたちに与える影響の深刻さはそのとおりでしょう。しかし、そのことをもって、日本の教育の形が崩壊したといえるのでしょうか。

 そして、そして・・・・、それへの対策として、なぜ「道徳」なのでしょうか?



 あくまでも「朝日」が書いた彼のコメントであり、彼の言い分を「朝日」が正しく表現していない可能性もあるとは思います(そう思って、教育再生会議のサイトを見てみましたが、確認できませんでした)。
 そのことを前提としてですが、「教育の崩壊」に関する彼のコメントのニュアンスは、「子どもたちが崩れた」というところに重点があるような気がしてなりません。対策に「道徳」がくるのも、そのことを示しています。

 しかし、教育を崩壊させているのは、自民党・公明党による今の政治ではないでしょうか。
 教育への権力の際限ない介入、免許更新制による教師の不安定化の促進、「いじめた子には処罰を」というような教育とは無縁の態度、「学校バウチャー制」や「学力テスト」導入による競争の激化と教育格差のいっそうの拡大。

 いま、崩れているのは子どもたちではなく、教育そのものです。そして、そのもとで子どもたちの成長と発展が著しく疎外されているのではないでしょうか。

 そして、教育を崩壊させているのは、いまの社会の実態、大人たちの実態です。
 「なんとか還元水」の某大臣の言ってることがメチャクチャだというのは、小学生だってわかります。それが国権の最高機関の中では、「メチャクチャではない」と堂々と発言できるし、内閣総理大臣がそれを追認するという今の社会で、どうして、子どもたちが納得できる教育を大人たちがおこなうことができるでしょうか。
 仮に「道徳」教育というのなら、子どもたちよりも、まず真っ先に、松岡さんや安倍さんこそが、その教育を受ける必要があるのではないでしょうか。




 義家氏のHPを読んでみると、「お前たちは、俺の夢だ」と今でも彼は語っています。
 この言葉は、子どもたちに勇気と希望を与えます。
 しかし、いまの義家氏の言動と彼の所属している教育再生会議がやっていることは、子どもたちから勇気と希望を奪っているとしか思えないと言ったら言いすぎでしょうか・・・。


 HPを見ても、彼を慕う子どもたちは全国に多数いることは間違いありません。
 この子どもたちをあなたの誤った夢の犠牲にしないでほしいと強く願うポチでした。

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コメント

人は見た目です^^
私はどうも、彼のうさんくささが気になっていました。
誠実な感じではないなと・・・。なんてね。

それより、長男さんの壮絶な戦い・・・。
良い高校に行けて何よりでしたが、私は、我が身に起きたら、おたおたして・・・想像も出来ません。

でも、pochiさんの気持ちが通じていたから良かったのだと思います。

投稿: jun | 2007年5月13日 (日) 11時32分

junさん
こんにちは

娘さんが北星余市に行っていた(この春、卒業されたようです)方のブログを発見して、時々おじゃましています。
学校は引き続きすばらしい努力をされているようです。その努力を義家氏が踏みにじっているのではないかと悲しい気分になります。北星余市の先生たちは、今の義家氏をどう見てるのでしょうか。

長男クンの場合、「壮絶」まではいきません。「壮絶」だったのは長女クンでした。いつか書きますね。

投稿: pochi | 2007年5月13日 (日) 15時56分

「しかし、教育を崩壊させているのは、自民党・公明党による今の政治ではないでしょうか。
 教育への権力の際限ない介入、免許更新制による教師の不安定化の促進、「いじめた子には処罰を」というような教育とは無縁の態度、「学校バウチャー制」や「学力テスト」導入による競争の激化と教育格差のいっそうの拡大。」

この意見には、反対です!
「教育への権力の際限ない介入」際限なく介入なんてしてないでしょう。教育というのは、自由にすればいいというものではありません。教育は明日の日本を担う国民を育てるためのものですから、国、政府による介入は当たり前です。むしろ、先生方が何の縛りもなく自由に教育する方がどれだけ危険であるか。考えてみてください。特に日教組なんかに任せていたらどんな国になることか。

学力テストの導入なんて、当たり前のことではないですか。
学校は勉強するところであり、勉強した結果、自分がどれくらいの成績か知りたい人もたくさんいるはずです。

順番をつけることや競争が悪いような感じですが、日本という国は、面積も狭く、資源も何もない国なんですよ。
現在のような豊かな生活を送ることが出来るのは、世界各国との競争に打ち勝ったからこそなのですよ。
日本は、頭で勝負しないで、何で勝負するのですか。頭で勝負するしかないのです。ゆとり教育なんて寝ぼけたことを言っていては、あっという間に韓国や中国に追い越されてしまいます。(もう手遅れかも知れないけど。)

学校を卒業して、社会に出れば、そこは紛れもない競争社会です。
社会に出ても適応できる人間を作ることも教育の一つではないでしょうか。
学力テストがダメだという考えは、一体どんな考えから来ているのでしょうか。生徒に順番をつけさせないためですか。徒競走もみんなで手を繋いでゴールするのですか。

そんなのは教育ではないと思います。
人間は、生まれながらにして、美人もいればブスもいます。頭のいい人もいれば悪い人もいます。スタイルのいい人もいれば、悪い人もいます。
人権は平等でなければなりませんが、能力や容姿は、平等ではないのです。生まれながらにして、不平等なのです。これは紛れもない現実です。

ですから、その人その人の能力にあった教育を受けるのが一番良いのではないでしょうか。それを教育の格差とみるか、個々人に最適の教育とみるか、です。

高度な学問になればなるほど、みんな一緒の教育なんて無理なんです。
一番ビリの人に合わせるような教育をしていたら、日本は世界から取り残されてしまうじゃないですか。

追伸:偶然立ち寄ったHPで、自分勝手な意見を述べさせていただきました。特に名乗るほどの者でもないので匿名とさせていただきます。
   

投稿: | 2007年5月21日 (月) 23時23分

People in every country take the personal loans from different creditors, just because it's simple and comfortable.

投稿: MelendezEddie32 | 2012年6月30日 (土) 15時00分

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