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2007年5月 3日 (木)

「時代についていけてない」のか?

 ポチです。
 今日は、施行60年目の憲法記念日です。この節目の日を、私たちは「改憲」を公言する内閣のもとで迎えることになりました。二度と戦争はしないと世界に誓ってスタートした日本がいま、大きな曲がり角を迎えているといえます。

 新聞各紙も憲法に関する世論調査をおこなっています。すべてを取り上げると煩雑なので、「毎日」の世論調査を考えてみます。

 その前に、郷土のホコリ・アベシンゾーくんの憲法記念日に当たっての談話をみておきましょう。

 シンゾーくんは、「憲法制定時には想像もつかなった大きな変化」があり、「我が国を取り巻く国際社会の枠組みも大きく変化」しているとして、これに、憲法を頂点とした基本的枠組みが「ついていけなくなった」と強調します。
 では、「想像もつかなった変化」「国際社会の変化」とは何か?
 シンゾーくん曰く、「経済のめざましい発展やグローバル化」「科学技術の急速な変化」「国民意識の多様化」「など」だそうです。
 さらに、「また」として、「地球環境問題へのとりくみ」「若者が無責任になっている問題(と理解したのですが、たぶんあっていると思います)」などもあげていますが、これも「ついていけなくなっている」問題としてあげているのでしょう。

 けっきょく、いろいろあげていますが、これらの問題との関係で、憲法の「どこが」「どういう点」で、「ついていけなくなって」いるのか、(当然のことですが)論証はまったくされていません。

 結論的に言えば、「ついていけなくなった」という指摘とその例との間には、何の関係もないし、シンゾーくんも「関係がある」と思ってあげたわけでもないと思います。たんに、枕言葉として、今の社会をあらわすそれらしい言葉(経済発展とグローバル化、科学技術、意識の多様化)と国民に「そうだなあ」と思わせる問題(環境、若者)を並べただけです。

 ですから、「ついていけなくなった」。これが一人歩きしていっています。根拠もなく、「何となく」「そんな気がする」程度の話で。

 で、世論調査の結果がかぶってきます。

  ◆憲法を「改める方がよい」・・・51%
        「改めない方がよい」・・・19%
        「わからない」・・・22%
  ◆「改める方がよい」の理由は?
        「時代に合っていない」・・・49%
        「一度も改正されていない」・・・28%
        「米国に押し付けられた」・・・9%
        「自衛隊の活動と9条にかい離がある」・・・9%
        「個人の権利を尊重しすぎている」・・・4%
        「無回答」・・・2%
  ◆「改めない方がよい」の理由
        「9条改正につながる恐れがある」・・・46%
        「議論が尽くされていない」・・・24%
        「積極的理由がない」・・・16%
        「権利制限や義務規定の恐れがある」・・・10%
        「時代にあっている」・・・2%
        「無回答」・・・3%

 「改めない方がよい」と回答した人が、「改憲」策動の本質を見抜き、しっかりとした反対理由を挙げていることが大きな特徴の一つではないでしょうか。この点は、心強いものです。

 しかし、注目すべきは、「改める方がよい」の理由です。
 「改憲」派と言われる人と「護憲」派といわれる人の論争の中心点ともなっている「9条問題」「押し付け」問題は、それぞれ9%。その一方で、全体の8割を占める第一の理由「時代に合っていないから」、第二の理由「一度も改正されていないから」は、「なんとなくそう思う」という程度の理由でしょう。「反対」の根拠と大きな違いをみせています。

 そして、注目すべきは、理由の第一の「時代に合っていない」。その数、約半分。
 これすなわち、シンゾーくんの言う「ついていけなくなっている」です。
 たしかに、「何となく」という程度かもしれません。しかし、憲法誕生の背景や9条をめぐる問題など、あれこれの難しい理屈ではなく、まさに今、この「何となく」が改憲をすすめようとする勢力の後押しを確実にしているのです。

 そして、そして、調査の結果は、「改めた方がよい」が過半数を占めているのです。

 シンゾーくんの理屈を「フン、バカなことを」とけっして軽んじてはいけないと強く思いました。
 中身もない、本当に空虚な言葉ですが、「ついていけなくなっている」に対して、私たちは最大限に警戒していく必要があるのでしょう。
 「ついていけなくなっている」どころか、今も燦然と輝いているし、平和と暮らしを守る砦としての大切な役割を持っている憲法を大いに語っていかねばなりません。
 9条はどういう役割を果たしてきたのか、今も果たしているのか。自民党政府のもとで、暮らしや福祉がどれだけ削られてきたのか、それは憲法25条を踏みにじっておこなわれたもので、今こそ憲法を高く掲げることが大事であること。などなど・・・・。

 1日に、「日本の青空」という映画を観ました。

Photo_6

 憲法が誕生していく様子を、GHQ案のもとになった草案を作成した鈴木安蔵とその妻の生き様を通して描いた映画です。
 これまで、まったく知らなかった憲法ができるまでの様々な過程や問題がよくわかりました。とくに、女性の権利問題で、GHQ案が男女同権を書いたのに対し、「これは、日本の風土にはなじまん」と日本の代表が言い、大きな論争になった点、そこで大きな役割を果たしたベアテ・シロタ・ゴードンという女性の存在などは、たいへん勉強になりました。

 でも、映画としては「?」。率直に言って、なんか不自然で、なじめないところのある映画でした。こんなテーマって、やっぱり劇映画にするには無理があるのではないかと感じてしまったポチでした。

 あ、でも、これ読んで「観に行くのやめた」って言わないでね。勉強になる映画だから、絶対!

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コメント

今晩は 同感です。

「ついていけなくなった」というのを仮に肯定するとして、「ついていけないようにした」のであって、それは、憲法が悪かったからではない。ある人々が、そうしたのだということだと思います。
「なった」のではなく「した」のでしょう?
なぜ、したかというのは、アメリカが、そうしろといったから。ですよね?

投稿: jun | 2007年5月 3日 (木) 19時30分

junさん

ホントにそうです。
まったく知性を感じさせないシンゾーくんですが、だからこそ危険なのかもしれません。
憲法を守るために、自分になにができるのか、しっかりと考える時だと自分に言い聞かせています。

投稿: pochi | 2007年5月 5日 (土) 08時50分

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