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2007年3月19日 (月)

孤独な介護の果てに・・・

 ポチです。
 今日もがんばって更新してみよう!
 というか。仕事の合間に新聞を読んでて、胸が詰まるような記事があって、これを紹介したくなったんだけど・・・。

 18日付の「山口新聞」の社会面に、「孤独な介護の末に/夫放置死の妻、来月公判/働きづめもお金なく」という記事が載っていました。
 「山口新聞」の記事だけど、大阪の話なので、きっと通信社からの配信記事だと思うので、他の新聞にも載っていたかもしれません。

 紹介した見出しを見てもわかるとおり、妻が夫を放置して、その結果、夫が亡くなったという話です。どんな話かというと・・・・。




 大阪の淀川区で2月に、庄司忠さん(63)という方が亡くなりました。寝たきりで、食事も満足に与えられず、床擦れから肺炎を起こしたことが死亡原因でした。川沿いのマンションに警察が駆けつけたとき、ゴミが散乱し異臭がただよう部屋のなかで、痩せこけた忠さんの遺体が横たわっていたそうです。

 妻の庄司聖子被告(50)が逮捕され、保護責任者遺棄致死罪で起訴されました。公判は4月から始まります。

  聖子被告は、仙台市出身で、人間関係のトラブルで仙台を離れ、95年に忠さんと結婚して大阪に転居してきました。忠さんは、当時、会社を経営していたそうです。
 しかし、まもなく、その会社が倒産。忠さんは病気になり、2年前からは寝たきり状態になりました。
 聖子被告は、近所の工場でパートで働きました。空気清浄機の部品交換や洗浄を担当するグループのリーダー格だったそうです。このパート以外にも、夜は、焼肉店、週末の深夜はお好み焼き店でもパートとして働きました。
 パート先では、地味だが清潔感のある服装をしていて、店長は、「悪臭なんて信じられない」と言っているといいます。
 働きづめに働いて、月収は約23万円。家賃に7万2千円、消費者金融の返済で5万円が消え、週2回はパチンコに行って、毎月の収入は5万円程度だったそうです。

 聖子被告は、「お金がない」と忠さんを病院にもつれていかず、「散らかっている部屋を見られたくない」と救急車も呼びませんでした。亡くなる直前は、添い寝してジュースを口移しで飲ませていたそうです。

 聖子被告は、「去年の12月に淀川区役所に生活保護のことで相談に行った」と供述しているそうですが、生活保護はうけていません。

 逮捕された後、聖子被告は、遺体を前に「ごめんなさい」と号泣したそうです。

 パート仲間の女性は、「『主人が働けなくて私が世帯主なの』と笑っていた。もう一歩踏み込んで話してくれればよかったのに、弱さを見せない性格で殻を破れなかったのかな」とつぶやいたそうです。

 記事は、家庭での高齢者虐待に関する調査結果を紹介しています。虐待した介護者のうち17.7%が相談相手が不在だったそうです。
 そして、締めくくりに、大学の教授の話を紹介しています。こんな話です。
 「高齢化と核家族化が進み、相談相手がいないケースが増えるだろう。介護者は独りで抱え込まずSOSを出してほしい」





 記事の概要は以上です。
 感想はいかがでしょうか?
 いろんな意見があると思います。
 「なんで7万円もの家賃のマンションに住まなきゃいけないんだ」
 「パチンコに行っていて、お金がないとはおかしい」
 「散らかっている部屋を見られたくないなんて。そんな見栄で夫を殺したのか」
 ・・・・・・・・・・・。
 もちろん、ポチもそう思わないかと言われれば、けっして否定できない部分もあります。彼女の性格や浪費癖。やり方一つ、考え方一つで、夫を死に至らしめるような事態を回避することは十分可能だったでしょう。忠さんの死に直接責任を負うのが聖子被告であることは言うまでもありません。

 でも、「それだけでいいのか」と問いかける自分がいます。
 また、この記事を書いた記者は、介護している人が相談することの大事さを結論としているようですが、ホントにそういう問題なのだろうかと考えてしまうのです。


 収入金額の多寡はともかく、働いても働いても満足に暮らしていくに必要な収入が得られない方(世帯)が急速に増えていると言われています。そして、高齢世帯も増え続けています。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」も大きな社会問題です。

 その一方、国は、所得税の老年者控除や扶養控除、定率減税をなくしました。所得税に連動する住民税も大幅に上がります。住民税に連動している各種負担も増えました。増税の嵐が吹き荒れています。「前年と所得の額はまったくかわらないのに、住民税が5倍にもなった」という方がものすごい規模でうまれています。消費税の引き上げも間の前に来ているといわざるを得ないのではないでしょうか。

 また、国や地方自治体は、医療や介護などの社会保険料負担を次々に引き上げています。いわゆる「受益者負担」原則というヤツです。
 ポチは、この「受益者負担」って言葉を聞くと吐き気がします。
 「買い物をしたんだから代金を払うのは当然だ」っていう理屈でしょ、これ?
 もちろん、買い物をすれば代金は払わなけりゃなりません。でも、医療や介護って「買い物」ですか?スーパーで売っているダイコンや豆腐と同じものですか?

 じゃあ、「社会保障」って言葉はいったい何なんでしょう?
 富める者もいれば貧しい者もいます。でも、憲法25条に掲げられた「国民は最低限の文化的生活を営む権利を持つ」という定めに従って、社会みんなでこの国民の権利を支えていこうっていうのが「社会保障」の制度です。そして、それを実際に担うのが国や地方の行政じゃないですか。
 その行政が、「代金払え」なんて、口が裂けても言うべきではないって思うのです。

 紹介した事件もそうですけど、一つひとつの事件には、様々な要素があって、それが複雑に絡み合って出来事を構成しています。「これが原因だ」なんて一言でかたづけられるものではないでしょう。
 しかし、こうした政治のひずみ、ゆがみが大きな背景としてあるような気がしてならないのです。
 もちろん、相談相手がいるにこしたことはありません。でも・・・・・・・。

 あ~、今日も午前様になってしまった。
 この記事を読んでから、いろんなことが頭の中を駆け巡って、仕事に熱が入らずに過ごしてしまったポチでした。
 おやすみなさい。

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コメント

胸の痛む記事です。
誰にとっても明日はわが身と思うのではないでしょうか。

相談すると、簡単に言いますが、難しいですよね。親しければそれなりに言えないこともありますし、わかってくれる人だと思わなければその気にならないでしょうし。

<「社会保障」って言葉はいったい何なんでしょう?
ほんとにそうです。多くの人達の努力でやっと勝ち取ってきたものが、今、音立てて崩れています。悲しいことですね。悔しいですね。
私は以前、yoshiさんのブログで、新自由主義の論文を見せていただいて、世の中がすごいことになっていることを知りました。
また、産業革命の時代からやり直すような気さえしてきました。
応能負担と応益負担という言葉もあります。言葉のあやで、だいじなものをごまかしているのでは?と思ったりします。
もっとも私など、本当に物を知らない人間なので簡単にだまされてしまうのかもしれませんが^^;

投稿: jun | 2007年4月 8日 (日) 19時34分

pochiさん
お元気ですか

投稿: jun | 2007年4月17日 (火) 14時18分

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