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2007年3月18日 (日)

米軍基地と住宅開発、不可思議な関係(その2)

 ポチです。
 仕事が終わりました。明日・・・・・もう「今日」になったか・・・・の日曜日も仕事です。寝る前に、続きを書いておくことにします。でないと、いつ続きを書けるかわからなくなるので。



 昨日は、米軍岩国基地が「沖合移設」で在外米軍で世界一の基地になったところまで書きました。
 以上が前振りで、ここからが主題の話になります。

 昨日の地図でもわかるように、「沖合移設」事業のためには、広大な埋め立てを必要とします。山口県は考えました。「よし、住宅団地を造成することにしよう。それで山を削ると、土の捨て場が必要になる。その土を基地の埋め立てに使えば一石二鳥だ」って。
 それで、急きょ、住宅需要の見通しを立てます。そもそも、住宅が必要だから造成するのではなく、基地拡張工事のための埋め立て土砂をとることが第一目的ですから、当然、甘い見通しの需要見通しになるのは当然です。
 埋め立てに必要な土砂の量ほど、山を削るわけで、削られた広さ分の需要があることにしなければ計算が成り立ちません。まさに、無理やりつくられた住宅需要になりました。

 当然、当時から、「過大な見通しだ」との批判はありました。しかし、そんなことはおくびにも出さず、計画はすすみます。

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 点線のところが本来の愛宕山です。それを削って緑色の線の段々の形状にするまで削っていきます。 

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 で、愛宕山から、トンネルを掘り、住宅地をこえ、国道をまたぎ、JRの線路をこえ、ハス田(「岩国レンコン」って言ってハスは岩国の名産です)の上を通って海まで続く、巨大なベルトコンベアーがつくられました。山を削りとった土が、このベルトコンベアーで運ばれていきます。

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 で、この土は、船に積まれ、埋め立て地まで運ばれていくのです。

Dosya7

 こんなふうに↑ベルトコンベアは海まで続いています。
 そして、こんなふうに↓船に積まれます。茶色が運ばれてきた土です。

Dosya8

 (以上の図と写真は山口県住宅供給公社のHPからお借りしました)

 ここまで読まれた方は、「そうか、米軍基地と住宅開発との関係っていうのは、“土砂繋がり”か」と思われたでしょう。
 もちろん、それもあるのですが、実はそれだけではないのが「摩訶不思議」なところなんです。
 続きをどうぞ。




 着々と埋め立てはすすみます。
 そうこうしているうちに、空母艦載機の移転問題が持ち上がります。昨年春には、住民投票がおこなわれ、市長選挙がおこなわれ、どちらでも艦載機受け入れ反対派が圧勝します。
 そして、昨年末です。「愛宕山開発」の破たんが表面化します。最悪の場合、500億円の損失が出ることが判明したのです。

 実は、2002年には、岩国市の持ち家の着工戸数が300戸を割り、周辺の地価も、計画ができた当時から3割も下落。膨大な分譲地が売れる見通しはまったくなくなったのです。損失の負担割合は、県が328億円、市が164億円というとんでもない額でした。

 そんなとき、ある情報が浮上してきました。
 なんと、山口県が防衛施設庁に対し、この愛宕山開発した宅地を空母艦載機部隊の米軍住宅に転用したいとの意向を伝えていたというのです。

 それ以前にも、「愛宕山を米軍住宅に」という話はあったのですが、井原市長さんも周辺住民もきっぱりと反対の意向を表明していた、そんなさなかの出来事でした。

 二井関成山口県知事は、すでに愛宕山開発の中止を表明しています。明言はしていませんが、計画の中止ということは、米軍住宅に転用することを意味しています。これに対して、井原岩国市長は、厳しさに直面しつつも、きっぱり反対しています。
 空母艦載機の移転そのものに市長も市民も反対しているのに、米軍住宅への転用なんてとんでもない話です。

 実は、この愛宕山開発計画は、一戸建て、集合住宅合わせて1500戸、計画人口5600人です。
 それに対して、艦載機移転となれば、厚木基地から移ってくる米兵とその家族は4600人。ただし、これは、今、横須賀に配備されている空母キティホークの場合です。キティホークとの交替で、原子力空母ジョージワシントンが配備されると言われており、そうなると艦載機の数も増え、米兵とその家族の数も5700人になるそうです。
 計画人口が5600人で、移ってくる米兵の数が5700人・・・・・。ぴったり符合すると思いませんか?
 最初から仕組まれていたというのは考えすぎだとは思うのですが・・・・、それでもやっぱり不可思議です。



 いずれにしても、あってはならない話であることは確かです。無責任な計画のあげく破たんして、市民の強い反対を押し切って、基地被害と騒音を撒き散らす米軍基地の強化を手助けすることで、その破たんの穴埋めをしようなんて、けっして許されません。

 地方自治体っていったい何なんでしょうか?今回のような事態に直面するたびに、頭の中が混乱していきます。
 本来、地方自治法では、地方自治体の役割として「住民の安全と福祉を守る」と定めています。しかし、現実は、住民の安全よりも福祉よりも、国言いなり、米軍言いなりの政治が堂々とまかり通って、住民は泣きを見なけりゃいけなくなる・・・・・・。

 山口県でも、まもなく県会議員選挙がおこなわれ、宇部市では市会議員選挙もおこなわれます。一人の有権者として、正しい判断を下したいと思っています。

 ということで、半分寝ながら、なんとか書き終えたポチでした。おやすみなさい。

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コメント

お久しぶりです。とてもよくわかりました。もちろん最初からあった話のように思います。それにしても大きな山を削って・・・山の悲鳴が聞こえるような気がします。海も山も川もこんなにめちゃくちゃに壊されて、その果てはどうなるのでしょう。
いつになったら人間は過ちに気がつくのでしょう。

投稿: jun | 2007年4月 8日 (日) 19時14分

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