アンケート
ポチです。
・・・・たそがれてます。
昨日は、仕事で阿東(あとう)町に行ってきました。阿東町とは、山口市の北側。島根県とも隣接しています。場所はココ ↓(MapFanWebさんからお借りしました)
この地図を見ると、合併で本当に市町村の数が減ったなあ・・・。
阿東町は、山口県の中では一番の「豪雪地帯」です。ですから、県内唯一のスキー場も阿東町にあります。去年のこの時期にもよく言ってたんですけど、ものすごい雪で、山はもちろん道路も家も真っ白け、雪に埋まっていました。
昨日行ってみたら、雪のカケラもありません。それで、仕事の合間に行ってみました。さて、ここはどこでしょう?
工事現場?・・・・ブッブー。土砂の採取場?・・・ブッブー。
奥の方に見えるでしょ?「リ」がつくヤツが。ピンポーン。そうです。さっき言った県内唯一という「スキー場」・・・・・・・・・・ というか、本来、スキー場であるはずの「山肌が削られた山」と言った方がいいですね。大金かけて、リフトも設置したそうなのですが、・・・・・。悲哀を感じます・・・。
で、阿東町の人と話していて、市町村合併の話になりました。
というのも、先月、阿東町は、山口市にたいして、「阿東町と合併協議をしてください」っていう申し入れをしたんです。
なんで、合併なんかしたがるのでしょう?合併してなにかいいことがあるんでしょうか?
実は、この阿東町は、県内で唯一合併の話がまったくなかったところなんです。県内で合併していない市町は、美祢市、秋芳町、美東町、阿武(あぶ)町、平生(ひらお)町、上関(かみのせき)町、田布施(たぶせ)町、和木町、そして阿東町の9つです。
このうち、美祢市と秋芳町、美東町は、来年4月に合併することがほぼ決まっています。阿武町は、さっきの地図を見てもわかるように、萩市との合併話を蹴って、自立の道を選んでいます。平生町、田布施町は、柳井市との合併が不調となって、今のところ合併していません。上関町は、原子力発電所建設計画があって、交付金をあてにして合併をしませんでした。和木町は、岩国市から広島県に至る石油コンビナートが集中しているところで、町財政が豊かで、岩国市との合併話を拒否しました。ですから、合併していないところも、一度はどこかと合併協議をしているんです。
ところが、阿東町だけは、どこからも相手にされなくて、県内どこでも「ガッペイダ~」っていっていたのに、「蚊帳の外」だったんです。
中国山地のど真ん中で、面積は広大だけど、人口8400人。産業といえば、農業と林業と観光(「長門峡」って聞いたことないでしょうか?紅葉の頃はかなりの観光客が来られます)くらいです。財政的にはかなり苦しいみたいだし、どこも、阿東町と合併しようとは思わなかったんでしょうね。
それで今回、「どうか、私をもらってください」って、山口市にお願いをしたわけですね。
いろんな話を聞いていると、どうやら、「阿東町にはお金がない。地方交付税も減らされる。このままではやっていけない。だから、合併するしかない」ということなんだそうです。
それがよくわからない・・・・。
たとえば、阿東町の自主財源(地方税収など)が50万円あって、国からの交付税なんかが50万円入ってくるとするじゃないですか。すると町の収入は100万円です。
この額は、阿東町のままでいうようが、山口市に吸収合併されようが変わらないわけです。100万円が、「阿東町役場に入る」のか、それとも「山口市役所に入る」のかの違いだけです。
で、阿東町役場に入れば(つまり合併しなければ)、その100万円はすべて阿東町と阿東町民のために使えるわけです。でも、山口市役所に入ることになれば(つまり合併すれば)、その大半は山口市の中心部のために使われ、旧阿東町の地域には、半分程度のお金(かどうかはわかりませんが、かなり減ることは確かでしょう)しか使われないことになります。
収入が100万円しかないのならば、支出を100万円以内におさえれば済む話ではないんでしょうか。もちろん、そのためには、職員を減らすとか、議員さんの数を少なくするとか、いろんな事業をやめるとか、いろんな工夫をしなければいけなくなるんでしょうけど。少なくとも、その100万円は阿東町のために使えます。なぜ、「やっていけない」ってなるのか、どう考えてもわかりません。
そもそも、市町村合併っていうのは、国が地方へ出すお金を減らすことを最大の目的に大号令をかけたものでしょ?合併して、市町村にいいことがあるなんて思えないのです。
政府は、合併のスローガンとして「負担は低い方に、サービスは高い方に合わせる」なんてことを言っていましたが、実際、宇部市と合併した旧楠町でも、負担が次々に増えたり、住民サービスがどんどん削られて、住民からは悲鳴が上がっています。合併したところはどこでもそうじゃないでしょうか。
で、阿東町が山口市への合併協議の申し入れをおこなう根拠になったのが町民への「市町合併に関するアンケート調査」で、57.2%の町民が合併に賛成したということでした。アンケートの結果をまとめたものを見せてもらいました。
「なんだ~、これは!」っていうようなものでした。
合併の必要性については、
合併すべき 30.7%(1774人)
どちらかといえば合併すべき 26.5%(1528人)
どちらかといえば合併すべきでない 11.7%(678人)
合併すべきではない 7.0%(403人)
わからない 18.9%(1091人)
向かい等・その他 5.2%(301人)
たしかに、過半数の町民が合併に肯定的です。でも、過半数ぎりぎり。しかも、「わからない」という人が1000人もいらっしゃいます。
で、合併すべき(「どちらかといえば」も含めて)という人へ理由を聞くと、一番多かったのが、「少子高齢化に対応するため財政基盤を強化する必要がある」という回答で、20.3%。2番目に多かったのが、「国や県の財政支援を受けられる」という回答で、14.5%でした。
ウ~ン。
さっきも言ったように、合併というのは、国が地方に出すお金を減らすために、県や市町村に押し付けているものです。財政が苦しくなることはあっても、「財政基盤が強化」されるなんてことはあり得ないでしょう。「国や県の財政支援」っていっても、たしかに、合併する時に必要な経費について、一部補助金が出るそうですけど、それは合併のために経費にすぐに消えていくものであって、市や町の財政には何の影響もないと思います。それもすぐになくなります。
だから、これをみて思ったんですけど、「ア~、町民には合併したらどうなるってのが知らされてないんだなあ・・・」っていうことでした。 「わからない」という人が1000人。「賛成」っていう人でも多くの人が事実を知らずに「賛成」って言ってる。
で、ホホ~ッて思ったのが、「今後の行政運営での留意点について、あなたのお考えをお聞かせください」っていう設問。
回答を多い順に書くと、
公共料金など住民負担が増加しないこと 35.1%(3414人)
地域格差が生じないこと 18.2%(1765人)
行政サービス水準が低下しないこと 16.6%(1611人)
住民の意見が反映されにくくなること 13.6%(1318人)
地域の個性や連帯感が薄れないこと 5.3%(516人)
その他 0.4%(36人)
となっていました。これは、合併に賛成の人も反対の人も答えている項目です。
合併すれば、必ず住民負担はあがりますし、地域間格差は拡大するでしょう。もちろん、行政サービスは低下します。合併すれば、阿東町から出る市会議員の数なんてゼロになるかもしれず、当然、地域住民の意見は反映されなくなるでしょう。
で、結論。
ナ~ンダ、ほとんどの人は合併に反対なんですね。合併したらどうなるっていうことについて、きちんと説明されていないだけなんだなあ、ということが、アンケートの結果を見て、よくわかりました。
で、こんなんで合併していいんだろうか・・・・と、ちょっと心配してみたポチでした。
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