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2007年2月 6日 (火)

背筋が寒くなる教育の破壊と荒廃

 ポチです。
 萩観光の最終回です。今日は、萩城址、またの名を指月公園。

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 萩城(別名指月城)は、慶長9年(1604)に毛利輝元が築城しました。明治7年(1874)に、建物は解体され、現在は石垣と堀の一部が昔の姿をとどめています。600本のソメイヨシノがあり、春は桜の名所です。
 で、この城跡の周囲は、地名を「堀内」って言って、昔の武家屋敷があった地域です。それで、こんな感じになっていて、指月公園とあわせて観光の名所になっています。

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 ということで本題です。
 今日は、中断していた尾木直樹講演会の続きの話をします。

 いまの教育再生会議の提言は、イギリスで失敗したことを、その失敗から何も学ばずに繰り返そうとしているということを指摘されました。
 「ニート」という言葉をご存知だと思います。「NEET(Not in Education,Employment or Training)」。イギリスで生まれた言葉で、「教育機関に通っておらず、働いておらず、職業訓練も受けていない」若者のことを言うっていうことくらいはポチでも知っていました。
 で、「ヘ~ッ」って思ったのは、イギリスで「ニート」が生まれた背景です。「ニート」の対象年齢をご存知ですか?日本では、15歳から34歳までで、本家のイギリスでは16歳から18歳までです。イギリスのこの「16歳から18歳」ってとこに意味があったんですネ。

 イギリスの「ニート」対策っていうのは、教育の失敗の後始末だったんですネ。
 イギリスでは、サッチャー政権のもと、1988年に教育の大改革をおこないます。それまで、地方教育局が管轄し、権限が地方にゆだねられ、比較的ゆるやかなカリキュラムで、教師が自由に教育内容を考えられる教育制度でした。それが、一変します。
 全国統一学力テストの導入で生徒を成績順に振り分け、学校評価制度で、子どもたちの生活態度も評価の対象にします。そして、生徒が学校を自由に選べるようにし、生徒の数に応じて予算を学校に配分するという教育バウチャー制の導入がそれに追い討ちをかけます。

 どうなったかというと、
 成績が悪かったり、生活態度の悪い子どもがいる→学校の評価が下がる→新入生が入らなくなる→学校に来る予算が少なくなる→そういう子どもたちを追い出す→学校に行かない子どもたちがうまれる

 で、「ニート」が大量発生したわけです。これが社会問題になり、1999年、ブレア政権のもと、本格的な対策を講じはじめたのです。こうした背景があるから、イギリスの「ニート」対策は、16歳から18歳なんだそうです。で、ブレア政権で、この対策を提案したのが「社会的排除防止局」ってトコだそうで、いわば、「ニート」ってのは、「社会的に排除された若者たち」っていう認識だったんですネ。それにくらべて日本では、「ニート」って言えば、働いていない若者を「侮蔑」する言葉になってるんじゃないかと思うんです。
 ちなみに、「ニート」という言葉は、イギリスでも一般的には使われていないそうです。むしろ最近、欧米では、「ニート」っていうのは「日本における若年無業者問題を指す語」として認知されつつあるそうです。

 ということで、話を元に戻すと、だから、イギリスは、全国統一学力テスト、学校評価制度を廃止しました。破たんしたわけです。
 にもかかわらず、いま、郷土のホコリ・アベシンゾーさんは、日本にこれを導入するというわけです。しかも、教育バウチャー制度も合わせて!教育の破壊ですね。

 尾木さんは、学力テストの導入で学力が上がるわけがないと断言されていました。マラソンは順位を競う競技で、タイムがどうであろうと一番最初にゴールした人が1番。順位を競う学力テストも同じで、順番だけが問題にされるようになる。順位を上げるためだけの「教育」がはびこり、学力を上げることは置き去りにされるからだと言われていました。

 また、学力向上のために、授業時間を増やすということを教育再生会議は言っていますが、尾木さんは、「何か政策提言を思いつきでやってはダメです。世界的にみて、授業時間を増やしたところはこうだったとか、減らしたところはこうだったとか、根拠を示さなければ政策提言とはいえません」とキッパリとのべて、授業時間が日本より短いフィンランドが子どもの学力世界一で、日本より授業時間の長いアメリカの子どもたちの学力が日本よりずっと低いという事実を示し、学力と授業時間を短絡に結びつける再生会議の提言を批判されていました。

 いま、日本の教育は破壊と荒廃の一途をたどってるってことを尾木さんの話を聞いて実感し、背筋が寒くなりました。
 みんなで力をあわせて止めなければって強く思ったポチでした。

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コメント

こんばんは
萩市、素敵です。行ってみたいです。
ずーっと続く白壁の塀、そこに、人影が無いですよね。観光客がいっぱいかと思ったのですが。静かで、いいですね。

ニートのこと、なるほどと、よくわかりました。
「日本における若年無業者問題を指す語」・・・切なく笑えますね。失敗した政策をなぜ、わざわざやろうとするのでしょうか。それがわかりません。

投稿: | 2007年2月 7日 (水) 22時52分

こんばんは
萩市、素敵です。行ってみたいです。
ずーっと続く白壁の塀、そこに、人影が無いですよね。観光客がいっぱいかと思ったのですが。静かで、いいですね。

ニートのこと、なるほどと、よくわかりました。
「日本における若年無業者問題を指す語」・・・切なく笑えますね。失敗した政策をなぜ、わざわざやろうとするのでしょうか。それがわかりません。

投稿: jun | 2007年2月 7日 (水) 22時57分

junさん
コメントとTBありがとうございます。
平日はこんなものなんでしょう。日曜日は観光客もけっこう多いと思いますよ。でも、一時に比べたら、観光客も減っています。最近も、大きな有名なホテルが倒産しました。その他にも倒産がうわさされるホテルがいくつかあるようです。萩市は、観光が最大の産業です。その観光が厳しくなって、若者の働き場所もなく、大変なようです。

 「ニート」って言葉、独り歩きしてますよね。「バカな若者」って臭いのする言葉です。政治によって生み出された現実だということから目を逸らせてはいけないと思います。

投稿: pochi | 2007年2月 8日 (木) 21時49分

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